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《西方浄土 2》 油彩、キャンバス 1976
東京オペラシティアートギャラリー蔵 photo:斉藤新 |
5.死と再生 1974〜1996年
(69歳〜91歳)
自己の抽象世界を発展させてきた画家を大きな不幸が襲います。それは次男・史男、長男・紀夫の相次ぐ死でした。史男が沈んだ海を思わせる青が画面の主調となり、失意の画家は「私は、絵を描くことで、息子たちと共にいるような気持になる」と述べています。この苦悩を乗り越えたのちに、大作《生の記録》(1993/94)にみるような、深い精神性をたたえた清澄な心象風景に到達したのでした。この時期の油彩画には、画家の苦悩とそこからの脱却の様子が端的に窺えます。 |
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