今までにない、写真と映像の展覧会

日本とオーストラリア、10名のアーティストによる、写真と映像作品163点を紹介する「トレース・エレメンツ」展。

写真といえば、旅行での記念写真、家族の成長記録、携帯のカメラで撮ったものなどが思い浮かびますが、それら普段の写真のイメージを覆す、ちょっと怖くて不思議な作品が並びます。

「トレース・エレメンツ(直訳すると、「痕跡の要素」)」には、もう一つ、「微量元素」という意味もあります。少ない量だけど、人間が生きていく上で欠かせない鉄、亜鉛などの元素。これって微量でも生活に必要なアートに似ていませんか?

記憶や身体感覚を揺さぶる「トレース・エレメンツ」展、ぜひ、ご自分の目で確かめてみてください。

展覧会、主な作品の見どころ 〜日本とオーストラリア、10名のアーティストによるグループ展〜

後ろのお客さんは幽霊?

実際に会場で見てみると、リアルな音響効果も手伝って思わず後ろを振返ってしまう、シンプルで単純な罠にひっかかってしまったような面白さ。「展示室で作品を見る」というごく普通の光景に、イリュージョンを紛れ込ませ、現実と、仮想世界の境界線をゆさぶります。是非体験してみてください。

必見!ダムタイプ 古橋悌二の伝説的な作品

古橋悌二《LOVERS ─ 永遠の恋人たち》 ヴィデオ・インスタレーション1994 © ARTLAB, Canon Inc.協力:せんだいメディアテーク、ダムタイプオフィス

重なり合いすれ違う裸体の人物の映像。センサーが観客を感知すると、作者古橋自身の映像が観客の前で立ち止まり、両手を広げてこちらを見つめます。人種や性差など、様々な偏見が生む境界線を越え、コミュニケーションの可能性を問いかけた美しい作品です。

アボリジニの肖像画が動いた!

ジェネヴィーヴ・グリーヴス《子供たち》
「昔の人を撮る」より[プロダクション・スティル]
5チャンネルヴィデオ・オーディオ・インスタレーション
2005
courtesy: the artist

よく近寄って見てください。古い写真のように見える画面は、実は映像です。
これは、19世紀に作られたアボリジニの人々の絵ハガキを元に作られた「動く肖像画」です。私達の考えるアボリジニのイメージが西欧人によって創られたものであることを表しています。

不在のあなた・・・

田口和奈《とくに不安でもないくらいの不安》
ゼラチン・シルバー・プリント 2006
courtesy: the artist

モノクロ写真に写る悲しげな女性。とてもリアルなのに、実は顔や体の部分を雑誌や写真から集め、モンタージュをして描かれた架空の存在です。
まるで証明写真のように見えますが、「写真=現実の出来事」という思い込みを覆します。

全10名のアーティストをより詳しく会場の様子を動画でご紹介


トレース・エレメンツ展 日豪の写真メディアにおける精神と記憶 詳細

期 間 2008年7月19日[土]─ 10月13日[月・祝] 東京オペラシティアートギャラリー外観
会 場 東京オペラシティアートギャラリー
参加アーティスト 古橋悌二 FURUHASHI Teiji/古屋誠一 FURUYA Seiichi/松井智恵 MATSUI Chie/志賀理江子 SHIGA Lieko/田口和奈 TAGUCHI Kazuna/フィリップ・ブロフィ Philip Brophy/ジェーン・バートン Jane Burton/アレックス・デイヴィス Alex Davies/ジェネヴィーヴ・グリーヴス Genevieve Grieves/ソフィー・カーン Sophie Kahn
開館時間 11:00 ─ 19:00(金・土は11:00 ─ 20:00/いずれも最終入場は閉館30分前まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌火曜日)
入場料 一般1,000円、大学・高校生 800円、中学・小学生 600円
※展覧会の入場券は、東京オペラシティアートギャラリー受付でのみ販売しています。(前売り券はありません)
お問い合わせ 東京オペラシティアートギャラリー 03-5353-0756


インフォメーション

Point1
新宿から1駅!会場へのアクセスは簡単&便利
京王新線「初台駅」東口直結(新宿駅で乗り換え)→東京オペラシティビル3階
東京オペラシティアートギャラリーは、新宿からひと駅。
駅から繋がっているので、お天気が悪くても傘いらず。エスカレーターでオペラシティビルの3階まで。5分以内に到着です!
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Point2
うれしい夜間開館、得する割引!
連日、閉館の1時間前から入場料が半額になる「夜割り」があります。
(火曜〜木曜・日曜は夜19:00まで/金・土は夜20:00まで開館)
また、土日祝日は、中学生・小学生に限り終日無料でお入りいただけます。
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Point3
ショップやレストランも充実。一日のんびり過ごせる東京オペラシティ
家族や友達と、またデートなどに楽しめる、展望レストランやカフェ、バラエティに富んだショップが約50店舗。
コンサートホールやICC(NTTインターコミュニケーション・センター)もある東京オペラシティで一日をのんびりお過ごしください。
詳しくはこちら

Point4
9月9日[火]アートギャラリー開館9周年 当日は入場料100円!!
おかげさまで、東京オペラシティアートギャラリーは2008年9月9日で開館9周年を迎えます。
これを記念し、当日は、終日お一人様100円でご入場いただけます!!
(当日限り。割引適用はございません。)



次回展覧会予告「蜷川実花 ─ 地上の花、天上の色 ─」
ついに「写真家 蜷川実花」が登場します。日本の美術館では初となる大規模な個展が、東京オペラシティアートギャラリーを皮切りに全国を巡回。初期の作品から最新作まで450点を超える、膨大な作品によって蜷川実花の過去から未来を紹介します。
次回も写真展が続きます、どうぞご期待ください。

「蜷川実花 展 ─ 地上の花、天上の色 ─」
2008年11月1日[土]〜12月28日[日]
詳しくはこちら
蜷川実花 ─ 地上の花、天上の色 ─

お問い合わせ: 東京オペラシティアートギャラリー
〒163-1403 東京都新宿区西新宿 3-20-2Tel.03-5353-0756 Fax.03-5353-0776
http://www.operacity.jp/ag/
東京オペラシティアートギャラリー

© 2008 Tokyo Opera City Art Gallery