2012/1/17 update
1/17[火]19:00開演「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」当日券情報
全席指定:一般¥3,000 学生¥1,000(要学生証)
●10:00〜17:00 事前電話予約
03-5353-9999
東京オペラシティチケットセンターにて電話予約いただけます。(チケットはコンサートホール内受付でお受け取りください。)
●18:00〜 (予約無しの)当日券購入
コンサートホール入口前の「当日券売り場」にて。
*「当日券売り場」は混雑が予想されますので、なるべく事前の電話予約をお勧めいたします。
サルヴァトーレ・シャリーノの音楽
2012年1月17日[火]19:00
当初予定(2011年5月25日[水])からの日程変更に伴い、指揮者が高関健からマルコ・アンジュスに変更になりました。その他の出演者、曲目、チケット料金は変更ありません。
指揮:マルコ・アンジュス(1-4)
フルート:マリオ・カローリ(2)
カウンターテナー:彌勒忠史(4)
パーカッション:安江佐和子(4)
フルート四重奏:斎藤和志/大久保彩子/多久潤一朗/木ノ脇道元(4)
サクソフォン四重奏:平野公崇/大石将紀/西本 淳/田中拓也(4)
洗足学園音楽大学フルートオーケストラ&サクソフォンオーケストラ(4)
東京フィルハーモニー交響楽団(1-3)
1. シャリーノ:オーケストラのための《子守歌》 (1967)
2. シャリーノ:フルートとオーケストラのための《声による夜の書》(2009)
3. シャリーノ:電話の考古学-13楽器のためのコンチェルタンテ (2005)
4. シャリーノ:海の音調への練習曲-カウンターテナー、フルート四重奏、サクソフォン四重奏、パーカッション、100本のフルート、100本のサクソフォンによる(2000)
全席指定(税込):一般 ¥3,000 学生 ¥1,000
*曲目、出演者等は、変更になる場合がございますのでご了承ください。
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。
公演について
大オーケストラから奇想天外な合奏まで、シャリーノが生み出す空前絶後の音響空間。
出演者総数は、コンポージアム史上最多の約300名!
独学により身に付けた驚異の音響創出術や、異端とも言える発想、特殊奏法の開発、さらに奇想天外な楽器編成などで名を馳せるシャリーノの膨大な作品群から、複雑怪奇なスコアによる衝撃のデビュー作《子守歌》、超絶技巧のフルーティスト、マリオ・カローリのために書いた最新の協奏曲《声による夜の書》、携帯電話に代表されるテクノロジーと現代生活の関係について考察を試みたアンサンブル曲《電話の考古学》、そして空前絶後の特殊編成による壮大な音響実験とも言える《海の音調への練習曲》という計4曲を一挙上演。指揮には、《海の音調への練習曲》世界初演をはじめ数々のシャリーノ作品を手がけているマルコ・アンジュスを迎えます。
シャリーノは、特にフルートにおいて数々の特殊奏法や魔法のような音響を開発したことで知られ、今回はその申し子とも言えるマリオ・カローリはもちろん、すでに数多くのシャリーノ作品を手中に収めている、日本を代表するフルーティスト4人が一堂に会すという画期的な機会です。さらに現代サクソフォンを牽引する平野公崇と大石将紀を中心とする四重奏団、広いレパートリーを誇るカウンターテナーの彌勒忠史、豊かな音色感を持つ打楽器奏者・安江佐和子が加わる一夜は、まさに現代音楽スペシャリスト大集合という様相を呈すことでしょう。
こうした演奏至難なシャリーノ作品を熟知した演奏家たちをはじめ、東京フィルハーモニー交響楽団、恒常的に演奏活動を行う洗足学園音楽大学のフルートオーケストラとサクソフォンオーケストラもあわせて、出演者総数はコンポージアム史上最多の約300名。はたしてどのような演奏風景になるのか、どのような音響を生み出すのか。誰も予想できない冒険的プログラムにどうぞお立ち会いください。
演奏曲目について
◎オーケストラのための《子守歌》(1967)[日本初演]
Berceuse per orchestra
9人の打楽器奏者を含む大オーケストラのための作品で、演奏時間は約15分とされるが、スコアは3ページしかなく、4つのグループに分けられたオーケストラが、それぞれ異なるタイミングで断続的なプレイを繰り返し、さらに各楽器は特殊奏法や極端なダイナミックレンジの変化を伴う。従来の楽器法やスコアリングとはかけ離れた異様とも言える書法による独特の音響で作曲界に衝撃を与えたと伝えられる、シャリーノのデビュー作である。
◎フルートとオーケストラのための《声による夜の書》(2009)[日本初演]
Libro notturno delle voci per flauto e orchestra
2009年のドナウエッシンゲン音楽祭で初演された、シャリーノ最新作の一つ。シャリーノが「フルートの若きパガニーニ」と称えるマリオ・カローリのために書いた協奏曲で、全体は、Ⅰ:深き淵にて Ⅱ:感情の裂け目 Ⅲ:マリオ・カローリと王のイリデセンス(虹色)という3楽章から成る。音と沈黙の境目に存在するかのようなデリケートなシャリーノ・サウンドはなお健在である。
◎電話の考古学 ─ 13楽器のためのコンチェルタンテ(2005)[日本初演]
Archeologia del Telefono – concertante per 13 strumenti
南西ドイツ放送とクラングフォーラム・ウィーンの委嘱作品。フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルン、トランペット、ピアノ、打楽器2、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスという編成で、現代生活に対するシャリーノ独特の社会学的な視点が盛り込まれた作品。電話のさまざまな信号音が模写される。
◎海の音調への練習曲 ─ カウンターテナー、フルート四重奏、サクソフォン四重奏、パーカッション、100本のフルート、100本のサクソフォンによる(2000)[日本初演]
Studi per l'intonazione del mare con voce, quattro flauti, quattro sax, percussione, orchestra di cento flauti, orchestra di cento sax
尋常ならざる編成のため、シャリーノの作品の中では特に有名だが、実演に接する機会は稀。2000年に、アッシジの聖フランチェスコ教会で行われた大きな行事-1997年の大地震で崩壊した上層バジリカの修復記念とローマ・カトリック2000年祭を同時に記念する-に際して書かれた。フルートとサクソフォンの繰り出す特殊音響と清澄な打楽器は、まるで自然界の音のようであり、それらと、トーマス・ウルフの著書や『ピスティス・ソフィア』などからシャリーノ自身がまとめたテキストを歌うカウンターテナーとが渾然一体となり、聴く者の耳と精神を解放させるかのよう。