2012年5月24日[木]19:00 コンサートホール
- 準・メルクル
©MDR Axel Berge
- 宮田まゆみ
- 半田美和子
- 藤村実穂子
指揮:準・メルクル[2、4]
笙:宮田まゆみ[1、3]
ソプラノ:半田美和子[4]
メゾソプラノ:藤村実穂子[4]
東京音楽大学合唱団[4]
NHK交響楽団[2、4]
細川俊夫:
[1]光に満ちた息のように ─ 笙のための(2002)
[2]夢を織る ─ オーケストラのための(2010)[日本初演]
[3]さくら ─ オットー・トーメック博士の80歳の誕生日に ─ 笙のための(2008)
[4]星のない夜 ─ 四季へのレクイエム ─ ソプラノ、メゾソプラノ、2人の語り手、混声合唱とオーケストラのための(2010)[日本初演]
全席指定:一般 ¥3,000 学生 ¥1,000(税込)
*就学前のお子様の同伴・入場はご遠慮ください。
*ネットオークション等での営利目的の転売はお断りします。
公演について
1970年代以後のヨーロッパ現代音楽シーンの中で、日本、西欧、自然、人間、ヒロシマといったテーマとともに自己の在り方を問い続けてきた細川俊夫の音楽は、峻厳な響きとともに、まるで無と豊饒を同時に映し出すかのような深みをたたえ、聴衆に常に強い印象を与えます。今回のコンサートでは、ここ数年欧米の楽団などの委嘱により集中的に発表している作品群から、かつて母の胎内にいる夢を見た作曲者が、その「夢の記憶を音楽で織りなおす作曲作業」(作曲者)だったというオーケストラ曲《夢を織る》と、四季の移ろいに人間が繰り返す災い ─ ドレスデン空襲と広島への原爆投下 ─ を重ね合わせたオラトリオ《星のない夜》[全9楽章・演奏時間約50分]という2曲の日本初演を中心にお届けします。
指揮は、近年細川作品をいくつも手がけており、作曲者が全幅の信頼を置く、準・メルクル。NHK交響楽団や水戸室内管弦楽団にたびたび客演し、好評を博しているミュンヘン生まれの指揮者です。ドイツ人の父と日本人の母を持つ彼が、今回《星のない夜》を指揮するのは、偶然とは言え、深い意義を感じさせずにはおきません。また、同曲の世界初演で独唱をつとめた世界的メゾソプラノの藤村実穂子(ドイツ在住)は、ぜひ日本初演も歌いたいという熱意をもっての来日出演です。ソプラノは、細川のオペラ『班女(はんじょ)』主役の好演でも知られる半田美和子。さらに演奏会前半と後半それぞれの幕開けには、細川作品のスペシャリストの一人・宮田まゆみの演奏による美しい笙独奏曲を配置。続くオーケストラ作品への神秘的な導入の役割を果たします。NHK交響楽団、東京音楽大学合唱団も含め、作曲者の意を汲んだ、豪華かつ強力な演奏陣で、細川俊夫の音楽の現在をたっぷりとお楽しみください。