主人公は想像力豊かな「インタートラベラー」
現代を取りまく閉塞感に対するリアクションとして、鴻池はこうした想像力を駆使した「遊び」によって新たな神話を投げかけます。鴻池にとって「遊び」とは魂を呼びかえす技です。それは身体をしばる秩序からの解放であり、人間の肉体の奥底に眠っていた感覚を呼び覚ます術(アート)です。そしてこの旅の主人公は、豊かな想像力を持った「インタートラベラー」という観客ひとりひとりなのです。
*インタートラベラー/Inter-Traveller:異なる世界を相互に往還し、境界をまたぐ人を指す、作家による造語。
「オープンブックシリーズ」《地球断面図 ウロボスカル図法》2006
鉛筆、紙、綿布
49.0x80.0x5.0cm
撮影:木奥恵三
[左] | 《バージニア―束縛と解放の飛行》2007 |
[右] | 《インタートラベラー》2009 |
©KONOIKE Tomoko,Courtesy: Mizuma Art Gallery |