20世紀初頭から現代へと続くアートシーンを多彩な切り口で紹介する本展は、コンテンポラリー・アート(現代美術)に普段から興味をお持ちの方はもちろん、今までアートに触れる機会があまりなかった方まで、それぞれに楽しむことができる展覧会です。
近年ますます多様化するアートの表現。私たちの生きる「今」を、約束事にとらわれずに表現する現代のアーティストの多くは、鑑賞者にも自由に作品を味わってほしいと願っています。とはいえ、作品を前に途方にくれてしまったり、「専門的な知識がないと理解できない」という先入観に縛られた見方をしてしまうことも多いのではないでしょうか?
本展では、アートに対する自由なアプローチを作品鑑賞の大切な一歩と考え、そこから作品と思い思いの「対話」を楽しんでいただきたいと考えています。とかくむずかしいと思われがちなコンテンポラリー・アートですが、日常の身近なことがらをキーワードに始める「対話」は、私たちの生活との関係性や、作品が生まれた背景、アートが発信するメッセージなどの発見につながります。また、アートを題材に他者と意見を交換することで自分と異なる考えに触れる経験は、多様化が進む社会の中で互いの価値観を理解し尊重し合う関係の基礎となるのではないでしょうか。
ダイムラー・クライスラー・アート・コレクションの中から今回ご紹介するアーティストは、バウハウスの巨匠から気鋭の若手まで総勢約50人。時代背景や表現方法の異なる多種多様な作品によって、展示空間には迫力あるインスタレーションがひろがります。
来館者に貸し出される展覧会オリジナルのワークブックや、子どもから大人までご参加いただける各種ギャラリー・クルーズの開催など、ちょっとした手がかりをもとに作品と向き合う経験は、アートの魅力や可能性、アートと社会の関係をあらたに発見する機会となることでしょう。 |
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