20周年おめでとうございます！
私は東京オペラシティ コンサートホール/リサイタルホールに育てられた、と言っても過言ではありません。ここでの音楽体験の中心的な存在はもちろんバッハ・コレギウム・ジャパンの定期演奏会ですが、それ以外にもヘンデルのオラトリオやオペラ、モーツァルトのレクイエム、ベートーヴェンのミサ・ソレムニス、モンポウやプーランクをフィーチャーした作曲家シリーズ、さらには『題名のない音楽会』の収録などなど多くの演奏の機会をいただき、また聴衆としても本当に数々の素晴らしいコンサートに立ち会ってきました。ですから貴ホールなしでは今の自分は考えられません。そして何度ここの舞台に立ったとしても、来るたびに「ああ、素晴らしいホールだなあ！」と感じる、そのような稀有なホールに人生において出会えたことに心から感謝しています。
そんな多くの体験の中でも、まさに私の音楽活動の出発点となったＢ→Ｃのコンサートは忘れがたいものです。東京オペラシティ文化財団との共同委嘱で野平一郎先生に書いて頂いたチェンバロ独奏のための《邂逅》（Rencontre）はその後レコーディングもしまして、ＣＤのタイトルにそのままいただきました。ギターの佐藤紀雄さんとの共演では、松平頼則さんの作品を演奏しました。そして最後は武満徹さんの《夢見る雨》。その他に自作も演奏することにしてしまいましたので、演奏の準備の他に作曲もあって公演直前はてんてこ舞いでした。本当に後にも先にもあんなリサイタルはできないな、と思います。他の出演者の方々も錚々たる面々で、ここに入れていただけたことが光栄です。いつかＢ→Ｃ卒業生全員で集合写真でも撮れたら最高ですが・・・！