[16]
二村英仁(ヴァイオリン)

1999年11月16日 出演

©Naomi Kawakami

開館20周年を迎えられ誠におめでとうございます。東京オペラシティは、来場される皆様に夢を与え、僕たち奏者にも高いモチベーションと美しい響きの空間に立てる喜びを提供してくださっています。これからも世界に誇る音楽の殿堂として、人々の記憶そして歴史に残る数々の名演が産み出されることと確信しています。
ホールが楽器のように僕らをサポートしてくれるので、貴ホールに向かうときはとてもリラックスするのですが、18年前のこの日ばかりは事情が違いました。ハリウッド関係者やズービン・メータ氏らが集ったガラ・コンサートに僕も出演したところ、その公演が大幅に伸び、予定していたパリからの帰国便に乗ることが出来ませんでした。そのためB→C公演の朝、成田に到着しそのまま直接貴ホールに向かうことに。入り時間には間に合ったものの、ご担当者にはご心配をお掛けしてしまったので、今でも大変申し訳なかったと当時を思い出します。
さて、B→Cに出させていただくことが決まったのち、図書館や資料室などを巡り現代曲を探し歩いたことがとても勉強になりました。音楽史における奏法の在り方を、より再考する機会となったこの企画に今でも感謝しています。世界初演となったM.ピラティは、ちょうど公演前に作曲家の遺族と知り合うという機会にも恵まれました。プログラムへ自発的に組み込む以外まだまだ演奏機会の少ない現代音楽です。B→Cが啓発となり現代音楽に対する評価と需要がより進展してくれることを願っています。

[近況](2017年3月現在)
国連からUNESCO平和芸術家に任命されて以来、今年で19年を迎えました。今後も日本や世界中で起きている震災などの自然災害による被災者の支援活動を続けてまいります。芸術を通じて平和の尊さを伝える役目を持つ者として、芸術を社会に貢献させられる可能性をより探っていきたいと思います。

「ヴァイオリニスト 二村英仁 オフィシャルウェブサイト」
http://eijin-nimura.com