[166]
橋本杏奈(クラリネット)

2014年11月18日 出演

166_橋本杏奈(クラリネット)

この大変ユニークで有意義な企画が日本の音楽界にもたらして下さったものの大きさは計り知れないことでしょう。演奏者聴衆共に多くを体験させて頂ける、素晴らしいプロジェクトだと思います。2014年度のアーティストとしてお招き頂いたことを名誉に思い、又、感謝いたします。20周年おめでとうございます! 心よりお慶び申し上げます。
何と言っても、楽しく苦心したのが曲目を組む段階でした。誰にも演奏されたことのないバッハをやりたくて、《半音階的前奏曲とフーガ》を自分でアレンジしたこと、当日のピアノを受け持って下さった寺嶋陸也さんが私のために作曲して下さった日本的な美観に包まれた独奏曲、私の育ってきた英国の音楽・・・中でも、リサイタルホールの会場の図面を見ながら、友人であり英国の若手作曲家リチャード・ブレンと共に工夫をこらして作り上げた新曲の演出は、楽屋から始まり廊下を歩きながら幾つもあるドアの開け閉めで独特の音響効果を利用して、大変印象深いものとなったと思います。あの会場でしか成し得なかったパフォーマンスとして、かけ替えのない思い出です。会場スタッフの皆様にも色々とお手伝い頂きまして、本当に有難うございました。

[近況](2017年3月現在)
ロンドンに在住ですが、バーミンガム音楽院でクラリネット科の教鞭をとっています。演奏家としてはソロ、室内楽、オーケストラのどれもが同じ比重で充実しています。2017年は、3枚目のソロアルバムと、私の木管五重奏団「アテア・クインテット」のデビューCDがリリースされます。日本では、2017年9月から10月にかけて9公演が予定されており、アテア・クインテットはNHK-BSの収録が予定されています。又、2016年にリリースされたドミンゴ主役のロイヤル・オペラのヴェルディ『二人のフォスカリ』のDVDでは首席クラリネットを吹いています。これからも日本と英国とを行き来しながら、自分らしい演奏活動を繰り広げてまいりたいと思っています。

公式サイト「Anna Hashimoto」
http://www.annahashimoto.com