開館20周年おめでとうございます。武満徹さんの想いが詰まった、まるで天を仰ぐかのようなコンサートホールとリサイタルホールには、ソロや室内楽等の演奏のほか審査でも何度も伺っていまして、とても近しく感じております。コンサートホールではオープニングシリーズ（1997/9/12「高橋悠治　オン・キーボード」）でも演奏させていただきましたが、特にＢ→Ｃのリサイタルは、私にとって初めてのチェンバロ（高橋悠治さん）との思い出深いコンサートです。その時、超絶技巧で音楽的にはとても深いイサン・ユンの《大王のテーマ》も演奏し（後にCD『フロム・ジ・オリエント』で録音も）、精神的にもかなり鍛えられた、という懐かしい記憶です。またヴォーカルで共演した巻上公一さんとは、2008年から（Ｂ→Ｃのコンセプトとも少し重なりますが）「ビヨンド・ザ・ボーダー音楽祭」をプロデュースさせていただいていることもあり、様々な形での共演が続いています。近年は、夫でもある若林顕とモーツァルトのソナタ集の演奏・録音に取り組んでおり、2017年は第3集をリリース予定です。