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大井浩明(ピアノ)

2003年12月16日 出演

このたびは20周年、おめでとう御座います。バッハ(古楽)とコンテンポラリー(現代音楽)は私の活動の二大主軸で、B→Cにお声掛け頂いた際も、作曲家のイニシャルを全てB(J.S.Bach、Busoni、Boulez+アンコールのBull)とC(L.Couperin、Chin)に揃えたりしました。このときのメインはウンスク・チンのピアノのための《エチュード集》で、旧ヴァージョンの再演に加え、東京オペラシティ文化財団委嘱による第5番「トッカータ」、およびこの公演のために全面的に改稿された第1番~第4番の新ヴァージョンの世界初演も一挙に行ないました。その彼女もいまやアジアを代表する大作曲家となり、当時は私以外弾いていなかった《エチュード集》も徐々に若手奏者が手がけ始め、今秋はラトル指揮ベルリン・フィル来日公演で新作初演、来春は「コンポージアム2018」武満徹作曲賞の審査員との由、時の流れを感じます。

[近況](2017年4月現在)
このB→C公演では、ブゾーニが換骨奪胎した《音楽の捧げ物》カノンメドレー、ならびに《対位法的幻想曲》や《第2ソナチネ》も取り上げましたが、《対位法的幻想曲》をさらに巨大化させたソラブジ《オープス・クラウィケンバリスティクム(鍵盤楽器の始源に捧げて)》という5時間かかる大曲を先月弾いたばかりです。「長い」「難しい」だけではなく、なかなか凝った筆致でもあるので、皆さんも是非!

「Blog | Hiroaki OOI」
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