◎コンポージアム
「現代音楽は楽しい。いっしょに同時代」
コンポション+シンポージアム(シンポジウム)=コンポージアムは、新しい音楽の創造を奨励する武満徹作曲賞の本選演奏会を含む、東京オペラシティの同時代音楽フェスティバルです。このシリーズでは、
(1)
同作曲賞審査員の創造世界を紹介する
(2)
本選演奏会にて、その年の作曲賞の受賞者が決定
(3)
同時代音楽の解釈と演奏に優れた演奏家によるコンサートという3つの柱を軸に、世界的に傑出したアーティストが登場します。
COMPOSIUM 1999 1999.5.5 [水・祝] 〜5.10 [月]
1999.5.5 [水・祝] 13:00
リサイタルホール
「ポール・メイエ クラリネット・マスタークラス」
指導:ポール・メイエ
受講者:野口琢磨
ベリオ/無伴奏クラリネットのためのリート(1983)
受講者:臼井悦子
サンサーンス/クラリネット・ソナタ
1999.5.5 [水・祝] 16:00
リサイタルホール
「フィルム&トーク」
出演:ルチアーノ・ベリオ
上映作品「ルチアーノ・ベリオのミュージカル・アクション」
1996年に初演されたベリオの異色オペラ《OUTIS》を題材に、ウンベルト・エーコ等知識人のコメントを交えながら、彼の舞台芸術創作に対する考えが語られる。「ルチアーノ・ベリオのミュージカル・アクション」をテーマとするRA13(イタリア放送協会)1997年制作のドキュメンタリーTV番組。
1999.5.6 [木] 19:00
コンサートホール
「アカデミア・ビザンチナ演奏会」
指揮・チェンバロ:オッタヴィオ・ダントーネ
ヴァイオリン:ステファノ・モンタナリ
オーボエ:クリスチャン・ホンメル
トランペット:ガブリエレ・カッソーネ
・パッヘルベル/3声のカノンとジーグニ長調
・ベリオ/デュエッティ(6番、24番、29番、34番、33番、8番)
・ベリオ/シュマンIV−オーボエと弦楽合奏のための
・ジェミニアーニ/合奏協奏曲op.3-4ニ短調
・コレッリ/合奏協奏曲作品6-8ト短調「クリスマス」
・トレッリ/トランペット協奏曲二長調
・ヴィヴァルディ/合奏協奏曲《調和の霊感》よりop.3-11ニ短調
1999.5.7 [金] 19:00
コンサートホール
「ルチアーノ・ベリオ管弦楽作品展」
指揮:ルチアーノ・ベリオ
クラリネット:ポール・メイエ ヴィオラ:川本嘉子
東京都交響楽団
・ベリオ/マドリードの夜の帰営ラッパ
・ベリオ/アルテルナティム〜クラリネット、ヴィオラとオーケストラのための ・シューベルト/イタリア風序曲第1番D590
・ブラームス〜ベリオ/作品120-1〜クラリネットとオーケストラのための
1999.5.8 [土] 13:00
リサイタルホール
「ファイナリスト自作を語る」
出演:作曲賞ファイナリスト5名
・伊東 乾
・東 千嗣夫
・前田克治
・マチェイ・ズウトフスキ
・渡辺俊哉
1999.5.8 [土] 19:00
コンサートホール
「ルチアーノ・ベリオ室内楽作品演奏会」
ピアノ:野平一郎、中川俊郎 ソプラノ:ルイザ・カステラーニ、中川共 ヴィオラ :城戸喜代 チェロ:松岡陽平 フルート:西沢幸彦、木ノ脇道元 オーボエ:辻功 クラリネット:ポール・メイエ、菊地秀夫 ホルン:白谷隆 トランペット:ガブ リエレ・カッソーネ ギター:佐藤紀雄 ハープ:木村茉莉 パーカッション:松倉 利之、石内聡明
・ベリオ/
女声とクラリネット、チェロ、ハープのための室内楽
セクエンツァIX、X、XI リネア〜2台のピアノと2打楽器のための
作品番号獣番
フォークソングズ
1999.5.9 [日] 14:00
コンサートホール
「1999年度武満徹作曲賞本選演奏会」
審査員:ルチアーノ・ベリオ
指揮:渡邊一正 東京交響楽団
・伊東 乾(日本)/ダイナモルフィア
・東 千嗣夫(日本)/カッサシオン
・渡辺俊哉(日本)/ポリクロミー
・マチェイ・ズウトフスキ(ポーランド)/管弦楽のための4つの小品
・前田克治(日本)/絶え間ない歌〜オーケストラのための
ベリオ氏による譜面審査(1998年4月)の結果、選ばれた上記の5作品が演奏さ れ、引き続いて受賞作品が下記の通り決定、発表されました。
第1位 前田克治(日本):絶え間ない歌〜オーケストラのための(賞金150万)
第2位 伊東 乾(日本):ダイナモルフィア(賞金100万)
第3位 渡辺俊哉(日本):ポリクロミー(賞金50万)
(C)東京オペラシティ文化財団
左から、渡辺俊哉、伊東乾、ルチアーノ・ベリオ、前田克治、米沢啓明(東京オペラシティ文化財団理事長)の各氏
[ベリオ総評]
私は、創造性と研究(リサーチ)は、同義語だと考えています。リサーチのない創造 性は意味のないものと思います。今回1位,2位に選んだ前田、伊東両氏は、リサーチ に基づく創造性と日本の伝統に根ざしたものがあると同時に、未来に向かったものが あると思いました。第3位の渡辺氏は、若さに対して賞を送りました。
<第1位>
前田克治(日本)「絶え間ない歌」
1970年12月21日生まれ。95年大阪音楽大学大学院修了。秋吉台国際作曲賞において山 口県知事賞(97年)、奨学生賞(95年)受賞。他、受賞多数。95年現代音楽協会作曲新人 賞入選。クラング・フォーラム・ウィーン国際作曲コンクールに入選し、98年度ワー クショップに招待される。
[授賞式の言葉] ベリオ氏の様な方に選んでいただいて光栄のいたりです。ありが とうございました。
<第2位>
伊東乾(日本)「ダイナモルフィア」
1965年1月27日生まれ。松村禎三、松平頼則、近藤 譲、高橋悠治、ノーノ、リゲティ、 ブーレーズらに作曲を師事。東京大学理学部物理学科卒業。同大学院修了。第1回出 光音楽賞受賞。すでに多数の委嘱を受け、作曲活動を行う。
[授賞式の言葉] 自分の曲の演奏が終わったときに、とても興奮していました。オー ケストラと生活している私は、1回のパフォーマンスがいかに大切なものかを知って いるので、この経験を次の仕事につなげていきたいと思います。
<第3位>
渡辺俊哉(日本)「ポリクロミー」
1974年3月15日東京生まれ。94年東京芸術大学音楽学部作曲科入学。98年3月同大学卒業。これまでに、山口博史、小鍛治邦隆の各氏に師事。97年、学内において安宅賞を 受賞。現在、同大学大学院修士課程に在籍中。
[受賞の言葉]
本当にありがとうございます。今回のことは、とても勉強になりま した。これからは、できてしまった自分の殻をぶち破っていこうと思います。
1999.5.10 [月] 19:00
リサイタルホール
「IMC室内楽演奏会」
アンサンブル・ノマド+α リーダー:佐藤紀雄
・ゴードン・シーウェン・チン(台湾)/オーシャン・フィーヴァー(1997)
・マルティンス・ヴィルムス(ラトヴィア)/サンサラ(1995)
・ヨハン・トルグレン(フィンランド)/アステリア(1995)
・ミュンフン・チョイ(韓国)/ユンのための弦楽四重奏曲(1996)
・ガブリエル・エルコレカ(スペイン)/カンタク(1996)
・マシュー・ヒンドソン(オーストラリア)/死の匂い(1995)