世界中の若い世代の作曲家に創作を呼びかける「武満徹作曲賞」を核とした、東京オペラシティの同時代音楽企画が「コンポージアム」(造語:Composition + Symposium)。「武満徹作曲賞」は、ただ一人の作曲家が審査員をつとめるというユニークさと、受賞者のその後の活躍などにより、今や世界的に知られている作曲コンクールです。
12回目となる2010年は、“スペクトル音楽”と呼ばれる手法による緻密にしてダイナミックな音響と、エレクトロニクスの洗練された活用を特徴とする作品で知られるフランスの作曲家、トリスタン・ミュライユ Tristan Murail を審査員に迎えます。世界中から集まった応募作品の中から、ミュライユがいかなる才能を発掘するか、注目です。
あわせて、ミュライユの作品演奏会も開催します。代表作であり、彼の評価を確立した傑作《ゴンドワナ》をはじめ、最近の作品、そして自身もその名奏者として知られるオンド・マルトノを用いた作品2曲を含め、高い知名度に比してこれまで日本では実演の機会がほとんどなかったミュライユの大規模作品に生で触れる貴重なチャンスとなることでしょう。また、日本を代表する作曲家/ピアニストで、ミュライユの旧友でもある野平一郎が、この演奏会の指揮をつとめることも話題となるに違いありません。
世界的な作曲家を迎え、優れた現代作品を優れた演奏で楽しめる「コンポージアム2010」にご期待ください。