アーティスト プロフィール

サルヴァトーレ・シャリーノ [作曲家・2011年度武満徹作曲賞審査員]

Salvatore Sciarrino, composer/judge of Toru Takemitsu Composition Award 2011

1947年4月4日シチリア島パレルモ生まれ。幼少時よりヴィジュアル・アートをはじめ芸術的才能を発揮し、12歳の頃から作曲を開始。最初に作品が公に発表されたのは1962年だった。アントニオ・ティトーネやテュリ・ベルフィオーレに個人的に師事したものの、音楽はほとんど独学。1969年にローマに移住し、フランコ・エヴァンゲリスティのもとで電子音響音楽の基礎を学ぶ。1977年から1982年までミラノ音楽院で教え、1978年から1980年まではボローニャ市立劇場の芸術監督もつとめた。1982年チッタ・ディ・カステッロに移住し、以来ほぼ作曲に専念する。ロベルト・ファブリチアーニ(フルート)やサルヴァトーレ・アッカルド(ヴァイオリン)といった名手たちと協力し、新しい奏法や超絶技巧を開発したことでも知られる。そうした独創的で凝った楽器用法などから導かれるそれまでにない音色や、沈黙の中からにじみ出てくるような独特の音響が注目と人気を集め、世界中の歌劇場、オーケストラ、音楽祭などから作品委嘱が相次ぐ。《アスパン》(1977-78)、《ローエングリン》(1982/84)、《わが裏切りの瞳》(1996-98)、《マクベス》(2002)などのオペラや、バレエ《ヴェニスに死す》(1991)といった劇場作品をはじめ、さまざまな独奏楽器や声楽も伴うオーケストラ曲、ピアノ曲、また《海の音調への練習曲》(2000)のような特異な編成の曲など、多数の作品を書いており、さらにはジェズアルド、スカルラッティ、バッハ、モーツァルト、アメリカの古いポップソングの編曲まで手がけている。ダッラピッコラ作曲賞(1974)、パルカロポウロス賞(1983)、アッビアティ賞(1983)、イタリア大賞(1984)など受賞多数。また、モーツァルト生誕250年を記念して2006年に新設された国際作曲賞「ザルツブルク音楽賞」の最初の受賞者となった。2005年にサントリーホール国際作曲委嘱シリーズでの新作初演のために初来日。作品は、Ricordi社およびRAI Trade社から出版されている。

■ マルコ・アンジュス(指揮)

Marco Angius, conductor

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

当初予定からの日程変更に伴い、指揮者が高関健からマルコ・アンジュスに変更になりました。なにとぞご了承くださいますようお願い申し上げます。

1969年生まれ。ローマ・聖チェチーリア音楽院でピアノ、作曲、指揮を学ぶ。オペラと現代作品を得意とし、イタリア国立放送交響楽団、アンサンブル・アンテルコンタンポランなどイタリアを中心にヨーロッパ各地のオーケストラやアンサンブル、また「ワルシャワの秋」などの音楽祭に招かれているほか、2002年に自ら創設し指揮者を務める現代音楽アンサンブルEnsemble Algoritmoとも意欲的なコンサートやレコーディングを行っている。シャリーノ作品への造詣は深く、2000年には《海の音調への練習曲》世界初演を指揮し大成功を収めCD化されたのをはじめ、2011年にはオペラ『わが裏切りの瞳』を指揮したCDがリリース(いずれもStradivarius)されるなど、数多くの作品を手掛けている。さらに、現代音楽に関する著作も多く、2007年にはシャリーノの音楽についての論文『Come avvicinare il silenzio - La musica di Salvatore Sciarrino』(RAI-ERI刊)が出版された。

■ 山田和樹(指揮)

Kazuki Yamada, conductor

1/20「武満徹作曲賞本選演奏会」

当初予定からの日程変更に伴い、指揮者が工藤俊幸から山田和樹に変更になりました。なにとぞご了承くださいますようお願い申し上げます。

東京藝術大学指揮科卒業。指揮法を松尾葉子・小林研一郎の両氏に師事。2009年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝。同年11月、ミシェル・プラッソン氏の代役でパリ管弦楽団にデビュー、ただちに再演が決定。 以来、BBC響、ベルリン放送響、サンクトペテルブルグ響、サイトウキネンオーケストラなどを指揮。NHK交響楽団副指揮者、横浜シンフォニエッタ音楽監督。2012年よりスイス・ロマンド管弦楽団首席客演指揮者に就任予定。

 

■ マリオ・カローリ(フルート)

Mario Caroli, flute

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

1974年イタリア生まれ。22歳の時、ダルムシュタット国際現代音楽祭にて、クラーニッヒシュタイナー音楽賞を受賞し国際舞台にデビュー。これまでにブーレーズ、エトヴェシュ、ホリガー、大野和士ら著名な指揮者と共演。ファーニホウ、ジェルヴァゾーニ、細川俊夫、クルターク、マントヴァーニ、松平頼暁、リーム、湯浅譲二、シャリーノ、ストロッパなどの、時代の最先端をゆく作曲家たちとの共同作業を通じて、現代のフルート音楽に重要な影響を及ぼし続けている。サルヴァトーレ・シャリーノは、彼を「フルートの若きパガニーニ」と評した。現在、ストラスブールの国立地方音楽院で後進の指導にもあたっている。

■ 彌勒忠史(カウンターテナー)

Tadashi Miroku, countertenor

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

千葉大学大学院修了。東京藝術大学声楽科卒業。バッハ・コレギウム・ジャパンとともに多数の演奏会や海外ツアー、レコーディングに参加。イタリア政府奨学生として渡伊。ボローニャ市立歌劇場、フェッラーラ市立歌劇場等の劇場や、モンテヴェルディ・フェスティバル(クレモナ)、サレルノ古楽音楽祭等の音楽祭はじめ、世界水準のカウンターテナーとして活躍を続けるほか、2010年1月にはジョルダーノ『マダム・サン・ジェーヌ』(東京オペラプロデュース)を演出し好評を博すなど多才を発揮している。CD:『音楽装飾されたマドリガーレ』『シレーヌたちのハーモニー』(以上Tactus)、『イタリア古典歌曲集』(キングインターナショナル)。著作:『イタリア貴族養成講座』(集英社新書)。二期会会員。

■ 安江佐和子(パーカッション)

Sawako Yasue, percussion

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

桐朋学園大学卒業、研究科修了。在学中、ミュンヘン国際音楽コンクールにて審査員特別賞受賞。1995年よりサイトウ・キネン・オーケストラのメンバーとして活動。2002年文化庁芸術家海外研修員としてベルリンへ留学。ベルリン・フィルのソロティンパニ奏者ライナー・ゼーガースに師事。2004〜2007年東京フィルハーモニー交響楽団打楽器奏者。2004年久石譲全国ツアー及びレコーディングに参加。現在、桐朋学園大学、東京藝術大学 非常勤講師。2008年「東京の夏」音楽祭参加公演としてリサイタルを行い、ドラマー村上ポンタ秀一と共演。さらに2010年のリサイタルでは、構成から演出、演奏までそのトータルパフォーマンスを高く評価される。古典から現代作品まで幅広いレパートリーを持ち、リズムを超えた「音楽」を求め、歌う、色彩のパーカッションとして、独自の音色感をもった世界を広げている。

■ 斎藤和志(フルート)

Kazushi Saito, flute

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

福島県郡山市出身。東京藝術大学大学院修了。2001年第5回神戸国際フルートコンクール第4位、第70回日本音楽コンクール第1位及び加藤賞、E・ナカミチ賞受賞。1999年第4回びわ湖国際フルートコンクール第1位。これまでに、パウル・マイゼン、金昌国、佐久間由美子、中川昌巳、中野富雄、三上明子、山崎成美の各氏に師事。現在、東京フィルハーモニー交響楽団首席奏者、「NOZZLES」「The flute quartett」メンバー。現代音楽演奏グループ「東京シンフォニエッタ」では副代表。作曲・編曲も行い、即興演奏も含め、従来の枠にとらわれない多彩な活動を展開中。2006年度アリオン音楽財団奨励賞受賞。

■ 大久保彩子(フルート)

Ayako Okubo, flute

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

2000年渡欧、オランダ・アーネム音楽院を経て、アムステルダム音楽院を卒業。2005年よりフランス・ストラスブール国立地方音楽院でフルートをマリオ・カローリ、室内楽をアルマンド・アングステアの各氏から指導を受ける。2008年同音楽院を最高位の成績で修了、Diplom de Spe'cialisation取得。現在、日本・ヨーロッパ各地においてソリスト、室内楽奏者としてコンサート、録音などで幅広く活動している。フランス・ブルターニュ地方を拠点とするアーティスト集団HANATSUメンバー。2006年、現代音楽演奏コンクール"競楽VII"入選。現在までに、フルートを大久保功治、小泉浩、高橋真知子、アビ・デ・クワンツの各氏に師事。

■ 多久潤一朗(フルート)

Jun-ichiro Taku, flute

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

数々の現代奏法、民族楽器の奏法やオリジナルの特殊奏法を駆使し、自作自演を軸にパフォーマンスを展開している。フルートアンサンブル「マグナムトリオ」、「ノズルス」メンバーとして国内外のフェスティバルに多数出演し、マグナムトリオは今夏アメリカとイギリスで開催されるフルートフェスティバルに招待されている。「Ensemble Bois」、アンサンブル・コンテンポラリーαメンバーとしては同時代の音楽を中心に活動を行い、2008年には芥川作曲賞にて伊藤聖子のフルート協奏曲を小松一彦指揮、新日本フィルハーモニー管弦楽団と共演。東京藝術大学卒業。木ノ脇道元、佐久間由美子、竹澤栄祐に師事。サンキョウフルート工房講師。

■ 木ノ脇道元(フルート)

Dogen Kinowaki, flute

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

1989年東京藝術大学入学。1992年秋吉台国際現代音楽セミナーにて招待演奏、1994年夏ダルムシュタット国際現代音楽祭に参加。ファーニホウのレクチャーにて《Unity Capsule》、川島素晴氏の《Manic Psychosis》を演奏し奨学生賞を受賞。同年秋、ピアニスト大井浩明氏とのデュオ"Duo Dogen"で、現代日本の室内楽・演奏コンクール"競楽Ⅱ"第1位。1997年第8回出光音楽賞受賞、アリオン音楽賞奨励賞受賞。これまでに、新日本フィルはじめ主要オーケストラとの共演多数。アンサンブル・ノマド、アンサンブル・コンテンポラリーαメンバー。その他独奏、室内楽を通じて、同世代の音楽を中心に活動中。武田又彦、金昌国、細川順三の諸氏に師事。Zipangu-Recordより、ソロアルバム『blower』がリリースされている。現在、東京藝術大学講師。

■ 平野公崇(サクソフォン)

Masataka Hirano, saxophone

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

正統派クラシックから、現代作品、即興、ジャズまで、幅広いフィールドを縦横無尽に駆け抜ける実力派サクソフォニスト。第7回日本管打楽器コンクール第1位。東京藝術大学卒業後パリ国立高等音楽院に入学、サクソフォン科、室内楽科、即興演奏科を最優秀の成績で卒業。在学中に ジャン=マリ・ロンデックス国際サクソフォンコンクールを制し、翌年オーケストラ・ナショナル・ボルドー・アキテーヌの定期演奏会でC.アベルのコンチェルト《It》を世界初演。Sud-Ouest紙の絶賛を浴びる等、華やかなフランス・デビューを果たした。国内外の主要オーケストラとの共演も多く、日本テレビからの委嘱作品《7つの絵〜有元利夫に捧ぐ》では作曲家としても高い評価を受け、国内外での再演が続いている。

■ 大石将紀(サクソフォン)

Masanori Oishi, saxophone

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

東京藝術大学、同大学大学院修士課程修了後、2001年渡仏しパリ国立高等音楽院に入学。サクソフォン科、室内楽科、即興演奏科を全て最優秀の成績で卒業後、さらに大学院課程室内楽科に進み2007年に修了。文化庁派遣芸術家海外研修員、明治安田生命クオリティオブライフ財団奨学生として研鑽を積む。フランス国内のコンクールで入賞後、2008年に日本に帰国。東京オペラシティ文化財団主催「B→C」に出演し、朝日新聞などの批評欄で高い評価を得た。その後は故ピナ・バウシュプロデュースの国際ダンスフェスティバルNRW2008(ドイツ)への招聘、NHK-BS「クラシック倶楽部」で特集されるなど幅広く活動している。

■ 西本 淳(サクソフォン)

Jun Nishimoto, saxophone

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

1976年岡山県生まれ。大阪音楽大学卒業、同大学院修了。2003年ノナカ・サクソフォン・コンクール、クラシック部門第1位受賞。2004年第8回松方ホール音楽賞・選考委員奨励賞を受賞。2007年兵庫県下での活動が評価され、平成18年度坂井時忠音楽賞を受賞。2008年ジャン=マリ・ロンデックス国際サクソフォンコンクールセミファイナリスト。ソリストとしてザ・カレッジ・オペラハウス管弦楽団、東京都交響楽団、東京フィルハーモニー交響楽団、東京シンフォニエッタ等と共演。現在大阪音楽大学、相愛大学、武庫川女子大学講師。渡仏し、フィリップ・ブラキャール、ヴァンソン・ダヴィッド、クリスチャン・ヴィルトゥ各氏の下で研鑽を積む。サクソフォンを米倉孝、赤松二郎、平野公崇の各氏に師事。

■ 田中拓也(サクソフォン)

Takuya Tanaka, saxophone

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」

15才よりサクソフォンを始める。第8回ジュニアサクソフォンコンクール第1位。第25回日本管打楽器コンクール第1位、並びに特別大賞、文部科学大臣賞、東京都知事賞を受賞。ソリストとして、日本フィルハーモニー交響楽団、藝大フィルハーモニーと共演。題名のない音楽会等、テレビや雑誌に出演。サクソフォンを佐々木雄二、原ひとみ、平野公崇、冨岡和男の各氏に、室内楽を中村均一氏に師事。現在、東京藝術大学音楽学部器楽科4年在学。

■ 東京フィルハーモニー交響楽団

Tokyo Philharmonic Orchestra

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」1/20「武満徹作曲賞本選演奏会」

1911年創立の日本で最も古い伝統を誇るオーケストラ。2001年4月、日本で初めてシンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せ持つ160余名のオーケストラとなると同時に、スペシャル・アーティスティック・アドヴァイザーにチョン・ミョンフンが就任。定期演奏会を中心とする自主公演、新国立劇場を中心としたオペラ・バレエ演奏、NHK他における放送演奏など、高水準の演奏活動とさまざまな教育的活動を展開している。海外公演も積極的に行い、最近では2005年11月にチョン・ミョンフン指揮で「日中韓未来へのフレンドシップツアー」を実施、各地で絶賛を博した。1989年からBunkamuraオーチャードホールとフランチャイズ契約を結んでいる。また東京都文京区、千葉県千葉市、埼玉県和光市、長野県軽井沢町と事業提携を結び、各地域との教育的、創造的な文化交流を行っている。

http://www.tpo.or.jp/

■ 洗足学園音楽大学フルートオーケストラ&サクソフォンオーケストラ

Senzoku Gakuen College of Music Flute Orchestra & Saxophone Orchestra

1/17「サルヴァトーレ・シャリーノの音楽」


洗足学園音楽大学では、管弦打楽器の講座として3つのオーケストラと4つのウインドアンサンブルに加え、7つの種類の異なるラージ・アンサンブルが毎週の合奏授業とその成果発表である学内外での年2〜3回の演奏会を行っている。フルートオーケストラは、ピッコロ、フルート、アルト・フルート、バス、コントラバスの5種類のフルートを用いて、フルートの現代オリジナル作品や管弦楽作品に取り組んでいる。また、サクソフォンオーケストラは、ソプラニーノ、ソプラノ、アルト、テナー、バリトン、バス、コントラバスの7種類のサクソフォンと打楽器で構成されており、フランス近代の管弦楽作品を中心に精力的に活動を行っている。

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