アントワープ王立美術館コレクション展 アンソールからマグリットへ ベルギー近代美術の殿堂

From Ensor to Magritte: Belgian Painting between 1880 and 1940
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イントロダクション

フランスとドイツの影響を受けつつ独自の発展を遂げていったベルギー近代美術の流れを展観できる展覧会です。

第1章:アカデミスム、外光主義、印象主義

19世紀後半、ベルギーでは進歩的な芸術思想が流行し、写実主義的な風景画を描くアルタン、ヴェルヘイデンなどの作家が現れます。彼らの作品は、やがてアカデミックなものとみなされるようになります。19世紀末には、エヴェヌプールやフィンチなどの作家たちが、スーラの点描技法をいち早く取り入れます。第1章では、写実主義や印象主義などの影響が顕著な繊細かつ、色彩鮮やかな絵画をご覧いただきます。
アルフレッド・ウィリアム・フィンチ
《西フランドルの風景》
油彩, カンヴァス 1888年
ジャン・バティスト・デ・グレーフ
《公園にいるストローブ嬢》
油彩, カンヴァス 1984-86年

第2章:象徴主義とプリミティヴィスム

20世紀初頭、表現主義の作家たちによって見いだされたアンソールは、世界的に最も著名なベルギーの画家の一人です。アンソールが活躍していた頃、ベルギーでは神秘的で、かつ秘儀的な雰囲気の作品を手がけたクノップフやスピリアールトのような象徴主義の作家もいました。彼らの中には、ゲント近くのラーテムという町に移住し、制作に没頭したデ・サデレールやファン・デ・ウーステイネなどの画家がいます。彼らの作品は、深遠でメランコリックな世界へと鑑賞者を誘います。
レオン・スピリアールト
《海辺の女》
水彩, 紙 1909年
ヴァレリウス・デ・サデレール
《フランドルの雪景色》
油彩, カンヴァス 1928年
レオン・スピリアールト
《自画像》
水彩, 紙 1907年

第3章:ポスト・キュビスム:フランドル表現主義と抽象芸術

ドイツ表現主義に影響を受け、激しい色遣いや、大胆な構図を用いたデ・スメットやペルメーク、ピカソが創始したキュビスムに影響を受け、やがて抽象絵画を手がけたドナスやキームネイなど、ヨーロッパの前衛美術を積極的に取り入れていったベルギーの画家たちの活動を取り上げます。
《パリーの肖像》
油彩, カンヴァス 1922年頃
グスターヴ・ファン・デ・ウーステイネ
《リキュールを飲む人たち》
油彩, カンヴァス 1922年

第4章:シュルレアリスム

ベルギーにおいて、夢や無意識の世界を絵画世界に展開したシュルレアリスムの動向は、1926年頃から見られるようになります。その中心的人物がマグリットであることは、もはや言うまでもないでしょう。また、シュルレアリスムの運動に与することはありませんでしたが、きわめて超現実的な世界を描き出したデルヴォーの作品など、現在でも強く世界の人々を惹き付けるベルギーの幻想美術をご覧いただきます。
フリッツ・ファン・デン・ベルへ
《距離》
油彩, 板に張った紙 1935年頃

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