フランスとドイツの影響を受けつつ独自の発展を遂げていったベルギー近代美術の流れを展観できる展覧会です。
第1章:アカデミスム、外光主義、印象主義
19世紀後半、ベルギーでは進歩的な芸術思想が流行し、写実主義的な風景画を描くアルタン、ヴェルヘイデンなどの作家が現れます。彼らの作品は、やがてアカデミックなものとみなされるようになります。19世紀末には、エヴェヌプールやフィンチなどの作家たちが、スーラの点描技法をいち早く取り入れます。第1章では、写実主義や印象主義などの影響が顕著な繊細かつ、色彩鮮やかな絵画をご覧いただきます。第2章:象徴主義とプリミティヴィスム
20世紀初頭、表現主義の作家たちによって見いだされたアンソールは、世界的に最も著名なベルギーの画家の一人です。アンソールが活躍していた頃、ベルギーでは神秘的で、かつ秘儀的な雰囲気の作品を手がけたクノップフやスピリアールトのような象徴主義の作家もいました。彼らの中には、ゲント近くのラーテムという町に移住し、制作に没頭したデ・サデレールやファン・デ・ウーステイネなどの画家がいます。彼らの作品は、深遠でメランコリックな世界へと鑑賞者を誘います。第3章:ポスト・キュビスム:フランドル表現主義と抽象芸術
ドイツ表現主義に影響を受け、激しい色遣いや、大胆な構図を用いたデ・スメットやペルメーク、ピカソが創始したキュビスムに影響を受け、やがて抽象絵画を手がけたドナスやキームネイなど、ヨーロッパの前衛美術を積極的に取り入れていったベルギーの画家たちの活動を取り上げます。