都市というランドスケープ
建築は、周囲のさまざまな要素とのつながりなしに作られてはならないと考えるペローは、都市自体を大きなランドスケープと捉えています。ランドスケープという言葉は公園や緑地部分の造形という側面で捉えられがちですが、本来は文化、地形、歴史などあらゆる要素によって構成される都市そのものを指す言葉です。その一部に新しい建築を建てることで、いかに都市を豊かにすることができるのか。ペローの作品の根底には、このような思いが流れています。
section 2では、「都市の地形」「自然の周辺」「場の発見」「ランドスケープとしてのスカイライン」「地形の変容」という5つのテーマにそって、ペローの建築が目指すものを検証します。それぞれのテーマにもとづいて分類された20のプロジェクトが、思考の過程をあらわすスタディ模型や敷地との関係を考察する敷地模型などの模型、素材のサンプル、ドローイングによって紹介され、全体を「ランドスケープ」に見立てたスペース自体からもペローの考える都市を感じ取って頂きます。
梨花女子大学キャンパス・センター、ソウル 2004-08
© André Morin / DPA / ADAGP
マリインスキー劇場 II、サンクトペテルブルグ 2003-07
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サンペレグリーノ・スパ・ホテル、サンペレグリーノ 2008-
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