曽根裕展|Perfect Moment

イントロダクション

ロサンゼルス在住の作家・曽根裕は、国際的に高く評価されている作家のひとりです。その作品は、観客を巻き込んだプロジェクト型の作品、映像、彫刻、ドローイング、油彩画など、実に幅広い展開を見せてきました。近年精力的に取り組んでいるのが、中国とメキシコの工房で現地の職人と協働で制作する彫刻作品です。

「建築家になるために美術を選んだ」という曽根の姿勢は、言い換えると「アートには建築のスケールに収まることのないかたちや風景を創ることができる」という壮大な夢を追う姿なのかもしれません。曽根にとってのアートとは、人間の営みが生んだかたちであり、同時に人間にとって未知の領域を発見するための方法でもあります。木漏れ日のような刹那的で儚いものや、都市の風景や観覧車など人間が生みだしたものを大理石の彫刻に仕上げ、人類がまだ足を踏み入れたことのないジャングルを創り出す。 このような制作の土台には、人間があらゆる制約から解き放たれ、多様性に満ちた混沌の中に、ひとりひとりのユートピア、「パーフェクト・モーメント」を発見することへの願いが流れています。

ページトップへ
東京オペラシティアートギャラリー