ギャラリー1:新井淳一の多様な技法による布と、制作にまつわる様々なものを展示します。
会場に入ると、ほの暗い空間にとりどりの布が水平に広がっています。布の一枚一枚に柔らかな光が当たっては消え、まるで呼吸しているかのようです。またISSEY MIYAKEと新井の協働による1983 ─ 85年のパリ・コレクションの映像、新井の制作過程を映した映像のほか、布の原料となる鉱物の原石、糸、布作りのための素材・道具が制作の奥行きを示します。自由に触れて風合いを確かめることができる布や、布の組織を拡大して見る装置など、新鮮な視点によって、新しい布を生みしてきた新井の先鋭的な発想を紹介します。ギャラリー2:ダイナミックなインスタレーション作品と布の森。新井の布を体感する空間です。
まず鑑賞者は巨大な渦の中に取り込まれます。迷路のような渦を出ると、あでやかな色彩の布、金属糸を使った布の森が現われます。ここでは伝統的な絞り染めの技法を中心とした新井の多様な表現をご覧ください。布の表と裏、わずかな空気の動きにも揺れる軽さやしなやかさ。独創的な新井の布作りとともに、普段は気にとめることのなかった布のもつ性質をあらためて知る機会にもなるでしょう。