イントロダクション
Introduction

日本、スウェーデン、ドイツを拠点とするアーティストによるガラスの器と静物画、写真からなるユニークな展覧会
ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家

この展覧会の出発点は2013年にさかのぼります。スウェーデンを拠点に活動するガラス作家・山野アンダーソン陽子が、「ガラスの作品を本にしたらどうか」と提案を受けたことをきっかけに、アートブックを制作する「Glass Tableware in Still Life(静物画のなかのガラス食器)」というプロジェクトがはじまりました。
スウェーデン、ドイツ、日本を舞台に展開したこのプロジェクトは、とてもユニークなプロセスで成り立っています。山野が18人の画家それぞれに声をかけ、画家自身が描きたいと思うガラスを言葉で表現してもらい、その言葉に応答して山野がガラスを吹きます。できあがったガラスを画家が静物画に描き、写真家・三部正博が画家のアトリエを訪れて絵画とガラスの写真を撮影し、デザイナー・須山悠里がアートブックのかたちにしました。

ガラス:山野アンダーソン陽子
絵画:伊庭靖子
photo: 三部正博

本展では、このプロジェクトで生まれた、宙吹きならではのわずかな歪みが美しいクリアーガラスの器、画家たちによる親密な絵画、浮遊感をたたえたモノクロームの写真、山野のアトリエでガラスが生まれる瞬間を撮影した映像作品が並びます。また、所々に配されたガラスや画家にまつわる言葉は、山野がこのプロジェクトを振り返ってエッセイにまとめたときに紡いだものです。これは言葉によるコミュニケーションを介在したプロジェクトの痕跡であり、ガラスと絵画と写真にまつわるストーリー思考する一助となるでしょう。それぞれの物語を想像しながら展示を楽しんでいただければと思います。

[参加作家]

  • ガラス
    山野アンダーソン陽子
  • 三部正博
  • アンナ・ビヤルゲル、アンナ・カムネー、イルヴァ・カールグレン、イェンス・フェンゲ、カール・ハウムド、ニクラス・ホルムグレン、CM・ルンドベリ、マリーア・ノルディン、レベッカ・トレンス、石田淳一、伊庭靖子、小笠原美環、木村彩子、クサナギシンペイ、小林且典、田幡浩一、八重樫ゆい、ほか
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