武満徹作曲賞
審査員紹介
- 2015年度審査員 カイヤ・サーリアホ (フィンランド) Kaija Saariaho (Finland)
【訃報】(2023.6.5)
2015年度武満徹作曲賞審査員を務めた、作曲家カイヤ・サーリアホ氏が2023年6月2日、パリのご自宅にて逝去されました。
コンポージアム2015では武満徹作曲賞の審査のほか、オペラ『遥かなる愛』(演奏会形式)の日本初演も行われました。聴き手を魅了する美しい音楽は、今も強く心に残っています。
謹んで哀悼の意を表します。
Kaija Saariaho Facebook
コンポージアム2015(本選演奏会を含む東京オペラシティの同時代音楽企画)
プロフィール
作曲家。1952年10月14日、ヘルシンキ生まれ。幼少時より音楽に親しみ、ヘルシンキ工芸大学でヴィジュアルアートを学んだ後、1976年よりシベリウス・アカデミーでパーヴォ・ヘイニネンに作曲を師事。在学中にマグヌス・リンドベルイやエサ=ペッカ・サロネンらとともにモダニズムを推進する作曲家グループ「コルヴァト・アウキ!(耳を開け!)」を結成した。引き続きフライブルクとダルムシュタットで、ブライアン・ファーニホウとクラウス・フーバーに学び、1982年からIRCAM(フランス国立音響音楽研究所)での研究を開始。そこで身に付けたコンピュータ音楽とライヴ・エレクトロニクス技術の応用は、1980年代の彼女の作風を特徴づけるものとなり、《フェルブレンドゥンゲン》(1984)や《睡蓮-秘密の花園Ⅲ-》(1987)など、カラフルな音色や濃密な音群の繊細な変容を強調した作品により世界的な評価を確立していった。
1990年代になると、そこに旋律のゆらぎや表情の豊かさ、スピード感が加わるとともに、リズミックな要素も強調されるようになり、ヴァイオリン協奏曲《グラール・シアター》(1994)、ソプラノとオーケストラのための《魂の城》(1996)、ソプラノとエレクトロニクスのための《彼方の》(1996)、オーケストラのための《オリオン》(2002)などが書かれた。
2000年、初めてのオペラ『遥かなる愛』がザルツブルク音楽祭で初演されるや、グロマイヤー賞をはじめとする数々の受賞に輝き、大成功作となった。
2006年、2作目のオペラ『アドリアナ・マーテル』(2005)が、前作に続きピーター・セラーズ演出によりバスティーユ・オペラで初演。最近も、オラトリオ《シモーヌの受難》(2006)、ボストン交響楽団創立125周年記念委嘱作品《ノーツ・オン・ライト》(2006)、パリ管弦楽団ほかによる共同委嘱作品《ミラージュ》(2007)、ベルリン・フィル委嘱作品《ラテルナ・マジカ(幻灯機)》(2008)などを発表、2010年には3作目のオペラ『エミリー』(2008)がアムステルダムで初演されるなど、現代フィンランドを代表する作曲家の一人として活躍を続けている。
作品は、Chester Music および Edition Wilhelm Hansenから出版されている。
関連リンク
- カイヤ・サーリアホ オフィシャルサイト
http://www.saariaho.org/ - Chester (出版社)
https://www.wisemusicclassical.com/composer/1350/Kaija-Saariaho/
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