◎ルイ・アンドリーセンって、誰?
「彼こそオランダのアヴァンギャルドだ」 ピーター・グリーナウェイ(映像作家)
「“オランダの武満徹”今、時代が求める繊細でマルチな才人です。」 ワダエミ(衣装デザイナー)
ルイ・アンドリーセンは今をときめくオランダの作曲家だ。映画『枕草子』や『8・1/2の女たち』の監督グリーナウェイが台本を書いた新作オペラ《フェルメールへの手紙》は、昨年12月のプルミエから連日完売の話題作となっている。グリーナウェイも一目を置くこの作曲家は只者じゃない。師であるベリオゆずりのしなやかさで、ジャズもラップもミニマルも、おもしろいと思った音楽は何でも吸収してしまう。いわば根っからの自由人。しかも、その底には「60年代の申し子」を自称する彼ならではの、ハードな主張が流れている。でも、ちょっと待って。この音のカオス、どこかなつかしい…そう、彼の音楽には都会の喧騒や深夜の静けさがある。まさに現代人の耳の環境だ。「ルイ・アンドリーセンって誰?」というあなたもコンポージアムへどうぞ。はにかんだ笑顔がすてきな彼と会えます。
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ルイ・アンドリーセン Louis Andriessen
(c) Yasunori Matsudaira |
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オランダを代表する作曲家。1939年ユトレヒト生まれ。ユトレヒト音楽院で父ヘンドリック・アンドリーセンに、またハーグ音楽院でケース・ヴァン・ヴァーレンに作曲を学ぶ。卒業後、ルチアーノ・ベリオに師事。60年代後半には、ラインベルト・デ=レウやミシャ・メンゲルベルクらと音楽と政治に関わる活動を展開した。今日までに、セリ−技法、コラージュ、ミニマル、ジャズやポップスのミュージシャンたちとの共同作業など、同時代のあらゆる音楽語法を利用し、数多くの作品を発表し続けている。近年では、映像作家ピーター・グリーナウェイとともにネザーランド・オペラのために制作したオペラ《ロサ─ある馬のドラマ》(1994)、《フェルメールへの手紙》(1999)で大成功をおさめた。主な作品に《国家》《時間》《物質》《ザ・ラスト・デイ三部作》などがある。
1970年に初めて日本を訪れ、武満に連れられ、雅楽を知ったことは作曲家の私にとってたいへん貴重なものでした。その音や動きが無意識のうちに私の中で発展し、のちに《時間》のように展開のない音楽を作るきっかけとなったからです。刺激はつねに私たちの成長を手助けしてくれます。そして今、若い作曲家たちの新しい音楽の言葉を紹介することで武満を讃えることができればと願っています。
→アンドリーセン オススメCD
→《フェルメールへの手紙》レポート
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