アーティスト プロフィール
ハインツ・ホリガー [作曲家/指揮者/2017年度武満徹作曲賞審査員]
Heinz Holliger, composer / conductor / judge of Toru Takemitsu Composition Award 2017
©Priska Ketterer
作曲家、オーボエ奏者、指揮者。1939年5月21日、スイス・ベルン州ランゲンタール生まれ。ベルン音楽院でエミール・カサニョーにオーボエを、シャーンドル・ヴェレシュに作曲を学ぶ。さらに1958年からはパリでイヴォンヌ・ルフェビュールにピアノを、ピエール・ピエルロにオーボエを学んだ。1961年から63年にはバーゼル音楽院にてピエール・ブーレーズに作曲を師事。
1959年ジュネーヴ、1961年ミュンヘンの両国際音楽コンクールで優勝し、オーボエ奏者として世界的な活動を始めた。ヘンツェ、ペンデレツキ、リゲティ、カーター、ルトスワフスキ、シュトックハウゼン、ベリオ等の作曲家が彼のために曲を書いている。
指揮者としては、ベルリン・フィル、クリーヴランド管、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、ロンドン・フィル、ウィーン・フィル、バイエルン放送響など著名なオーケストラをたびたび指揮している。
作曲家として、その作品はオペラ、管弦楽、独奏、室内楽、声楽、とすべての分野に及ぶ。代表作として、《スカルダネッリ・ツィクルス》(1975-91)、ヴァイオリン協奏曲《ルイ・ステーへのオマージュ》(1993-95、revised 2002)があげられるほか、室内楽作品も多く、チェロとピアノのための《ロマンサンドル》(2003)、クラリネット(またはバス・クラリネット)のための《コントルシャン》(2007)、2つの弦楽四重奏曲や多くのソロ作品がある。1998年に初演されたオペラ『白雪姫』では、グリム童話のその後を描いたロベルト・ヴァルザーのテキストを使い、登場人物の影の部分を表現し高い評価を獲得、その録音は2002年のグラミー賞を受賞している。
受賞歴は、フランクフルト音楽賞(1988)、シーメンス音楽賞(1991)、モナコ・プリンス・ピエール財団作曲賞(1994)、ラインガウ音楽賞(2008)など数多い。
2003年にはシテ・ドゥ・ラ・ミュジック(パリ)において演奏会週間が行われた。また、スイス・ロマンド管弦楽団とルツェルン音楽祭のコンポーザー・イン・レジデンスをつとめたほか、2012年のザルツブルク音楽祭でもレジデント・アーティストとして活躍した。
作品はSchott Musicから出版されている。
フェリックス・レングリ(フルート)
Felix Renggli, flute
5/25「ハインツ・ホリガーの音楽 ─ 《スカルダネッリ・ツィクルス》」
スイスのバーゼルに生まれる。ペーター=ルーカス・グラーフ、オーレル・ニコレらに師事。バーゼル音楽院を卒業後、チューリヒ・トーンハレ管、ルツェルン祝祭管、ヨーロッパ室内管などでソロ・フルート奏者を務めた。レパートリーは幅広い分野に及び、ピリオド楽器による18世紀作品の演奏から、現代の前衛音楽における多数の独奏作品や室内楽作品の初演まで網羅している。1994年バーゼル音楽院の教授に就任、2004〜2014年までドイツ・フライブルク音大でも後進の指導に当たった。また、ヨーロッパ、日本、韓国、中国、オーストラリア、および南アメリカでも定期的にマスタークラスを開いている。CD収録も多く、ソロアルバムはもとより、ハインツ・ホリガー、アルディッティ弦楽四重奏団、カメラータ・ベルン、スイス・チェンバー・ソロイスツなどと共演している。
ラトヴィア放送合唱団(合唱指揮:カスパルス・プトニンシュ)
Latvian Radio Choir (Kaspars Putniņš, chorus master)
5/25「ハインツ・ホリガーの音楽 ─ 《スカルダネッリ・ツィクルス》」
©Matiss Markovskis
ヨーロッパのプロフェッショナル室内合唱団のトップに数えられるラトヴィア放送合唱団は、表現力の素晴らしさ、驚くほど幅の広い歌声によって、世界中にその名が広く認知されている。1992年以降、音楽監督兼首席指揮者であるシグヴァルズ・クラーヴァとカスパルス・プトニンシュの2人の指揮者のもとで活動している。ザルツブルク、モンペリエなどの世界トップの音楽祭をはじめ、アムステルダム・コンセルトヘボウ、コンツェルトハウス(ベルリン)、シテ・ドゥ・ラ・ミュジック(パリ)、リンカーン・センター(ニューヨーク)など、一流コンサートホールで演奏している。またリッカルド・ムーティ、ハインツ・ホリガー、トヌ・カリユステ、エサ=ペッカ・サロネンをはじめとする著名指揮者との共演も数多く成功させている。
アンサンブル・ノマド
Ensemble NOMAD
5/25「ハインツ・ホリガーの音楽 ─ 《スカルダネッリ・ツィクルス》」
©Maki Takagi
1997年結成。「NOMAD」(遊牧、漂流)の名に相応しく、時代やジャンルを超えた幅広いレパートリーと斬新なテーマによるプログラムで独自の世界を表現するアンサンブルとして内外から注目されている。これまでに、「第2回佐治敬三賞」と「第3回ウィーン・フィル&サントリー音楽復興祈念賞」を受賞。海外からの招待も多く、世界各地の現代音楽祭に出演している。CDは、近藤 譲など邦人作曲家の室内楽作品集の他、海外でもH.バスケスの『Bestiario』と『Pruebas de vida』がリリースされている。2014年にはオリジナル・アルバム『巡る ─ Meguru』をリリース。2015年に発売された『現代中国の作曲家たち』シリーズは、レコード芸術誌の特選盤や朝日新聞の推薦盤に選ばれている。
オフィシャルサイト http://www.ensemble-nomad.com/
カチュン・ウォン(指揮)
Kah Chun Wong, conductor
1986年シンガポール生まれ。2016年グスタフ・マーラー国際指揮者コンクールで優勝、その才能と古典、現代双方のレパートリーに対する天性の成熟度で強烈な印象を与えた。この優勝を機にロサンゼルス・フィルハーモニーからドゥダメル・フェローシップ・プログラムに招かれている。2017年にはバンベルク交響楽団、香港シンフォニエッタ、サンクトペテルブルク・フィルハーモニー交響楽団等との共演が予定されている。音楽教育にも情熱を注いでおり、創造性、チームワークなど、生きる上で役立つスキルを身に付けさせることを目的とした音楽学校kidsphilharmonic@sgの設立に携わった。またアジア・コンテンポラリー・アンサンブル(ACE)を創設、シンガポールの移民による多文化社会から発想を得て、このアンサンブルは演奏家、アーティスト、パフォーマーで構成されている。ヨン・シュトウ音楽院(シンガポール)において作曲、音楽学を学び、リー・クアンユー芸術文化奨学金(公共サービス委員会)の初代受給者としてベルリン国立ハンス・アイスラー音楽大学に留学。これまでにマズア、ハイティンク、サロネンらに師事。
東京フィルハーモニー交響楽団
Tokyo Philharmonic Orchestra
©上野隆文
1911年創立。2011年に日本のオーケストラとして最初の100周年を迎えた、日本で最古の歴史をもつオーケストラ。約130名のメンバーをもち、シンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せもつ日本を代表するオーケストラ。「定期演奏会」や「午後のコンサート」などの自主公演の他、新国立劇場のレギュラーオーケストラとしてオペラ・バレエ演奏、NHKにおける『名曲アルバム』や、FM『ブラボー!オーケストラ』の他、さらに『題名のない音楽会』などにより全国の音楽ファンに親しまれる存在として、高水準の演奏活動とさまざまな教育的活動を展開し、クラシック音楽の広い普及に努めている。
オフィシャルサイト http://www.tpo.or.jp/