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インタビュー ウンスク・チン、自らを語る

アーティスト プロフィール

ウンスク・チン [作曲家/2018年度武満徹作曲賞審査員]
Unsuk Chin, composer / judge of Toru Takemitsu Composition Award 2018

1961年7月14日、韓国・ソウル生まれ。独学でピアノと音楽理論を学んだ後、ソウル大学でスキ・カンに最初の作曲教育を受ける。1985年、《3台のチェロのためのスペクトラ》でガウデアムス国際作曲賞第1位受賞。同年ドイツ学術交流会(DAAD)奨学生として留学、ハンブルク音楽演劇大学でリゲティに師事する。1988年ベルリンに移住、ベルリン工科大学電子音楽スタジオで活動した。
エウリピデスの戯曲をもとにした3人の女声歌手、女声合唱、オーケストラのための《トロイアの女》(1986)ではすでに、現代的な語法を使いながらも、抒情的で、聴衆への強い訴求力がはっきりと見て取れる。1991〜93年にかけて作曲された、ソプラノとアンサンブルのための《折句 ─ 言葉の遊戯》は現在までに20カ国以上で演奏され、国際的な作曲家へ躍進するきっかけとなった。
1993年、《santika Ekatala》が東京都制施行50周年記念国際作曲コンクールで最高位を受賞。1997年には《ピアノ・エチュード》がオルレアン国際ピアノコンクールの現代ピアノ作品賞を、2000年にはアンサンブルとエレクトロニクスのための《Xi》(1998)がブールジュ国際電子音楽コンペティションにおいて第1位を受賞している。また、《ヴァイオリン協奏曲》(2001)は、2004年に権威あるグロマイヤー賞を受賞、以降世界各国で演奏されている。2007年には初のオペラとなる『不思議の国のアリス』がケント・ナガノ指揮によりバイエルン州立歌劇場において初演され、オペルンヴェルト誌の年間最優秀初演作品賞を受賞、その後もジュネーヴ、セントルイス、ロサンゼルス、ロンドン等で再演を重ね代表作の一つとなっている。また、オーケストラのための《ロカナ》(2008)、中国笙とオーケストラのための協奏曲《シュウ》(2009)も高い評価を受け再演を重ねている。2016年にはロッテコンサートホール(ソウル)のオープニングのために作曲された、児童合唱、混声合唱、オルガン、オーケストラのための40分におよぶ大作《星の子どもたちの歌》が、チョン・ミョンフン指揮ソウル・フィルにより初演。ベルリン・フィルの委嘱による最新作《Chorós Chordón》は、2017年11月にサイモン・ラトルの指揮によりベルリンで初演された後、日本を含むアジアツアーでも演奏された。
アルノルト・シェーンベルク賞(2005)、ハイデルベルク女性芸術家賞(2007)、ブリティッシュ・コンポーザー・アワード(2009)、モナコ・プリンス・ピエール財団作曲賞(2010)、ホアム(湖巌)賞芸術賞(2012)、ウィフリ・シベリウス音楽賞(2017)など受賞歴多数。2006〜17年ソウル・フィルハーモニー管弦楽団のコンポーザー・イン・レジデンスおよびコンテンポラリー・ミュージック・シリーズ芸術監督、2011年からはフィルハーモニア管弦楽団現代音楽シリーズ「ミュージック・オブ・トゥデイ」芸術監督を務めている。
作品はBoosey & Hawkesから出版されている。

イラン・ヴォルコフ(指揮)
Ilan Volkov, conductor

5/24「ウンスク・チンの音楽」

1976年イスラエル生まれ。2003年よりBBCスコティッシュ響の首席指揮者、引き続き09年からは首席客演指揮者を務めている。2011〜14年アイスランド響の音楽監督および首席指揮者。また現代音楽とロック、即興、エレクトロニクスといった様々な音楽を融合させ紹介する「Tectonics Festival」を創設、グラスゴー、ニューヨーク、オスロ、アデレード、テルアビブ、アテネなどで実施している。世界各地のオーケストラ、歌劇場、音楽祭へ登場するなか、現代音楽の分野での活躍も多く、2016年にはジェラルド・バリーのオペラ『真面目が肝心』をニューヨーク・フィルと演奏、録音でもジョナサン・ハーヴェイの《ボディ・マンダラ》が2008年のグラモフォン賞、《スピーキングス》がベルギーのセシリア賞を受賞している。

ジェローム・コント(クラリネット)
Jérôme Comte, clarinet

5/24「ウンスク・チンの音楽」

ジュネーヴとパリでトーマス・フリードリ、パスカル・モラゲス、ミシェル・アリニョンらに師事し、パリ、プラハ、ミュンヘン等数々の国際コンクールに入賞。25歳でアンサンブル・アンテルコンタンポランに加わり、ブーレーズの指揮でカーターの《クラリネット協奏曲》などを演奏、2016年にはマティアス・ピンチャーの指揮でクラリネット協奏曲集を録音している。ソリストとして、マイアミでウンスク・チンの《クラリネット協奏曲》、フィルハーモニー・ド・パリでハンス・ヴェルナー・ヘンツェ《薔薇の奇蹟》などを演奏するほか、ロンドン交響楽団、マーラー・チェンバー・オーケストラ等と共演している。使用楽器はビュッフェ・クランポンのトスカ グリーンライン。

イサン・エンダース(チェロ)
Isang Enders, cello

5/24「ウンスク・チンの音楽」

1988年生まれ。12歳でチェロを始め、弱冠20歳でドレスデン国立歌劇場管の首席チェリストに就任、ドイツ史上最年少の首席奏者となった。同楽団に4年間在籍したのちソリストとしての活動に専念するため退団。これまでにチョン・ミョンフン、クリストフ・エッシェンバッハ、パブロ・ヘラス=カサド、エリアフ・インバル、ズービン・メータ、ヴァシリー・ペトレンコら著名指揮者のもとフィルハーモニア管、フランス放送フィルハーモニー管、ソウル・フィル、スタヴァンゲル響、シュトゥットガルト・フィルハーモニー管等と共演している。作品への深い洞察と探求心、幅広いレパートリーで既に新世代の演奏家としての地位を確立している。

オフィシャルサイト http://www.isangenders.com/

読売日本交響楽団
Yomiuri Nippon Symphony Orchestra

5/24「ウンスク・チンの音楽」

1962年、オーケストラ音楽の振興と普及のために読売新聞社、日本テレビ放送網、読売テレビのグループ3社を母体に設立。サントリーホールでの「定期演奏会」や、事業提携している東京芸術劇場での「土日マチネーシリーズ」を中心に、多彩なコンサートを開催している。現代音楽にも積極的に取り組み、常任指揮者シルヴァン・カンブルランとのメシアン作品の演奏では特に高く評価されている。2014年度には第27回ミュージック・ペンクラブ音楽賞・現代音楽部門を受賞。コンサートの様子は日本テレビ『読響シンフォニックライブ』で放送されているほか、インターネットの「日テレオンデマンド」でも動画配信され、好評を博している。

オフィシャルサイト http://yomikyo.or.jp/

杉山洋一(指揮)
Yoichi Sugiyama, conductor

5/27「2018年度武満徹作曲賞本選演奏会」

1969年生まれ。桐朋学園大学作曲科卒業。95年イタリアに留学。指揮をエミリオ・ポマリコ、岡部守弘に、作曲を三善晃、フランコ・ドナトーニ、サンドロ・ゴルリに師事。2000年、アンサンブル・モデルンを皮切りに、ウィーン・モデルン、オーケストラ・ミラノ・ムジカ、クラングフォーラム・ウィーンを、日本では都響、新日本フィル、仙台フィル、東京混声合唱団を指揮。オペラではカザーレ『チョムスキーとの対話』(ボローニャ)メルキオーレ『碁の名人』初演(ヴェローナ)、『ファルスタッフ』(高松)、『魔笛』(仙台、白河)、細川俊夫『大鴉』(ボルツァーノ)等を指揮。作曲家としても国内外から多数の委嘱を受けていて、「東京現音計画#01」で第13回佐治敬三賞を、ミュージック・フロム・ジャパン委嘱の《杜甫二首》で第2回一柳慧コンテンポラリー賞を受賞。

東京フィルハーモニー交響楽団
Tokyo Philharmonic Orchestra

5/27「2018年度武満徹作曲賞本選演奏会」

1911年創立。2011年に日本のオーケストラとして最初の100周年を迎えた、日本で最古の歴史をもつオーケストラ。約130名のメンバーをもち、シンフォニーオーケストラと劇場オーケストラの両機能を併せもつ日本を代表するオーケストラ。「定期演奏会」や「午後のコンサート」などの自主公演の他、新国立劇場のレギュラーオーケストラとしてオペラ・バレエ演奏、NHKにおける『名曲アルバム』や、FM『ブラボー!オーケストラ』の他、さらに『題名のない音楽会』などにより全国の音楽ファンに親しまれる存在として、高水準の演奏活動とさまざまな教育的活動を展開し、クラシック音楽の広い普及に努めている。

オフィシャルサイト http://www.tpo.or.jp/

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