難波田史男の15年

イントロダクション

ファン待望の個展ついに開催。難波田史男、15年の絵画の軌跡。

難波田史男(なんばた・ふみお 1941-74)は、繊細な線と色彩による優れた作品の数々とその鮮烈な生涯によって、戦後美術の歴史に名を刻んでいます。日本の抽象絵画の開拓者である難波田龍起の次男として生まれた彼は、非凡な才能を見せつつも既成の美術教育にはなじまず、文学や音楽を糧としながら独自の表現を求めました。自己の内面を見つめ、また時代や社会の現実とも真摯に向き合うなかから生まれた作品は、繊細でありながら透徹した史男の感性を瑞々しく伝えています。わずか15年ほどの短い活動期間ながら、生み出された作品は夥しい数にのぼります。「青春の画家」というイメージとはうらはらに、難波田史男の芸術はすでに十分な発展と展開を遂げ、きわめて多様かつ凝縮した表現世界を確立しています。

没後最大規模、作品約240点と資料により画家の全貌を紹介。

本展では、東京オペラシティ アートギャラリーの寺田コレクションに収められた膨大な史男作品から120点あまりを精選し、さらに各地の美術館、所蔵家より多くの秀作、代表作を集め、また日記、スケッチブック、写真など史男ゆかりの資料もあわせて展示します。難波田史男の制作を導いたさまざまなテーマや関心、また画家の生涯に沿いながら、作品約240点および資料により難波田史男の魅力を複眼的に紹介します。


《無題》
1971年
水彩、インク、紙 33. 0 x 48. 0 cm
東京オペラシティ アートギャラリー 蔵
撮影:斉藤新

《無題》
1970年
水彩、インク、紙 27. 0 x 38. 0 cm
世田谷美術館 蔵


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東京オペラシティアートギャラリー