2004年に開催した展覧会「アートがあれば」は、当時注目を集めはじめた個人コレクションに焦点を当て、コレクションのあり方やコレクター像、さらにはアートと共に暮らすライフスタイルから浮かび上がるアートの魅力を探りました。その後10年足らずの間に、個人がアート作品を購入することはより一般的になりました。欧米に比べればまだまだコレクターの数は少ないものの、アートは「見るだけのもの」から「買えるもの」に変わりつつあるといえるでしょう。
では、いったいなぜアート作品を購入するのでしょうか?そもそもコレクションをする理由とは何でしょうか?何か特別なルールはあるのでしょうか?
本展は、次世代ともいえる新たな9人のコレクターたちのコレクションを通じて、こうした問いかけの答えを探ります。日本および海外の人気作家や新進作家の作品の数々、また、ユニークなその取り合わせに、通常の展覧会とは異なる、個人コレクターならではのすぐれた審美眼や独自の感性を感じていただけることでしょう。また、たんなる個人的収集にとどまらないアートコレクションの可能性や、これからのアートシーンのなかでコレクターが果たす新たな役割について考える機会ともなるでしょう。