展示構成
Exhibition
1. 初期作品
シカゴの写真クラブでのサロン写真から、インスティテュート・オブ・デザイン(通称ニュー・バウハウス)在学中の実験的な作品を中心に紹介します。
《シンフォニー・イン・ケーブ》
ゼラチン・シルバー・プリント 1944-48年
2. シカゴ I
シカゴの人と街は東京とならんで石元が生涯にわたり撮り続けた都市です。子どもたちの躍動する姿や路上で出会った不思議なかたちまで、ID卒業の年までの作品を中心に紹介します。
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《シカゴ ハロウィン》
ゼラチン・シルバー・プリント 1948-52年
3. 東京 I
1953年の来日以降、石元は東京を撮り続けました。ここでは1950年代の作品を中心に、鋭い造形意識とヒューマンな眼差しの同居する躍動感あるイメージをご覧いただきます。
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《東京 こども》
ゼラチン・シルバー・プリント 1953-57年 -
《東京 街》
ゼラチン・シルバー・プリント 1953-57年
4. 桂離宮
伝統建築をモダンな眼で解釈した代表作。1953、54年撮影の初期シリーズを紹介します。鋭くとらえられたディテールや空間の拡がりは私たちの五感を刺激し、豊かな体験の世界へと誘います。
《桂離宮 中書院東の庭から中書院、楽器の間、新御殿を望む》
ゼラチン・シルバー・プリント 1953, 54年
5. シカゴ II
1958-61の3年にわたるシカゴ滞在時の作品を紹介します。50年に一度の大規模な再開発を迎えたシカゴの都市の変貌やそこに暮らす人々の息づかいが、より精度をたかめた視点から捉えられています。
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《シカゴ 街》
ゼラチン・シルバー・プリント 1959-61年
6. 東京 II
1960年代から80年代までの作品を中心に紹介します。高度成長期から大学紛争、そしてバブル経済まで、時代の変転と都市の躍動を捉える手法が冴えわたります。
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《東京 街》
ゼラチン・シルバー・プリント 1988年
7. 日本の産業
1960年代の高度成長期に各地の工場や発電所を撮影した石元は、同時に公害やゴミ、自然破壊などへも目を向けています。紹介されることの少なかった作品もまじえ、近代化に対する石元の複眼的な視点を紹介します。
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《東京 街》
ゼラチン・シルバー・プリント 1963年頃 -
《日本の産業(航空機)》
ゼラチン・シルバー・プリント 1963年頃
8. 周縁から
地方の暮らしやそこに息づく民俗芸能などに取材した作品を紹介します。石川県輪島市の「御陣乗太鼓」や東北、北海道の暮らしと農業。それらは日本の周縁から近代化を捉える仕事といえるでしょう。
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《御陣乗太鼓(輪島)》
ゼラチン・シルバー・プリント 1962-64年
9. ポートレート
1960年代頃に手掛けたポートレートの仕事より、土方巽、唐十郎、三島由紀夫、石原慎太郎らを撮影した作品を紹介。大物たちの際立つ個性と時代の空気感に注目です。
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《ポートレート(土方巽)》
ゼラチン・シルバー・プリント 1968-69年
10. 近代建築
丹下健三、白井晟一、磯崎新、黒川紀章、内藤廣からミース・ファン・デル・ローエまで、石元の「建築写真」を紹介。石元は多くの建築家たちと信頼関係を結び、建築・デザインの世界と深く交流しています。
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《シカゴ建築 860-880レイク・ショア・ドライブ・アパート
メント(ミース・ファン・デル・ローエ)》
ゼラチン・シルバー・プリント 1966年 -
《牧野富太郎記念館(内藤廣)》
ゼラチン・シルバー・プリント 1999年
11. イスラム 空間と文様
中近東からインドまで、イスラム寺院の空間と文様をとらえたカラーの仕事を紹介します。石元のレンズは、色彩とフォルムが空間を生み出していく様を見事に捉えています。
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《イスタンブール、トプ・カプ・サライ、白地藍彩タイルと多彩施文タイル》
ポジフィルム 1971年
12. 両界曼荼羅
京都・東寺(教王護国寺)の国宝《伝真言院曼荼羅》を接写拡大したシリーズ。1977年の発表時には曼荼羅ブームが起きました。国立国際美術館所蔵の大型プリント110余点を一挙公開します。
13. 歴史への溯行
桂離宮や曼荼羅の仕事で歴史や伝統を今日的な視点から捉えることに関心を深めた石元は、さらに日本各地で歴史や伝統を溯行する仕事に取り組みました。ここでは大分県の国東半島の宗教文化や琵琶湖周辺に多くつたわる十一面観音に取材した作品を紹介します。
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《国東紀行 有寺 庚申塔》
ゼラチン・シルバー・プリント 1977年頃
14. かたち
自然が生み出す造形や人工物などを捉えた作品を紹介します。バウハウス仕込みの構成感覚豊かな石元の特徴がよく現れた作品群です。
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《韮山・江川邸の土間》
ゼラチン・シルバー・プリント 1956年頃
15. 食物誌/包まれた食物
あらゆる食材がラップされスーパーに並び、我々の食卓に届けられるようになった1980年代。それらを即物的に捉えた本シリーズからは石元の消費社会批判が読み取れます。
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《食物誌(鯛)》
発色現像方式印画 1986年
16. 伊勢神宮
石元の歴史や伝統へのまなざしは、東洋的な永遠の時間性へと向かい、1993年の式年遷宮にあわせた伊勢神宮の撮影に結実しました。
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《伊勢神宮 内宮 御手洗場の清流》
ゼラチン・シルバー・プリント 1989, 93年
*画像はすべて 高知県立美術館蔵
©高知県, 石元泰博フォトセンター