展覧会の見どころ
Exhibition
いよいよ、東京で初めての大規模個展
国内では2017年国立国際美術館(大阪)での個展をはじめ、各地の芸術祭やグループ展、アートフェアなどで紹介されてきたライアン・ガンダー。東京の美術館での大規模個展は今回が初めてです。本来、昨年の開催を予定していましたが、コロナ禍による延期を経て、2022年7月の今回、ようやく実現します。世界中で注目を集め続けているアーティストの今を、空間全体で味わっていただく機会です。
「見る」ことから生まれる問い、そして想像へ
ガンダーの作品は、オブジェ、インスタレーション、絵画、写真、映像など多岐にわたります。こうした幅広い制作活動に一貫しているのが、「見る」ということへの考察です。私たちが普段見過ごしていること、あたりまえと片付けてしまっていること、それすら忘れていることへの注目をうながし、さまざまな問いを抱かせます。この問いは、お定まりのものごとを今までと違った視点で考えるきっかけであり、そこには新しい発見があるでしょう。それが私たちを「創造する」ことへと導くのです。
時間/お金・価値/教育/よく見ないと見えないもの……
今回の展覧会では、ガンダーの新旧さまざまな作品を組み合わせながら、大きな展示室をひとつの作品として創り上げます。これらの作品ひとつひとつでは、ガンダーが制作活動の初期から持ち続けてきた関心 ── 時間、お金・価値、教育、よく見ないと見えないもの ── が俎上にあげられています。私たち誰にとっても大切なものごとの本質とは? まじめに、少しばかりのユーモアを交えて「そもそも」を考えるガンダーの世界に、頭を柔らかくして飛び込んでみましょう。そこでは、私たちの生きる今という時代のサインがそれぞれに見えてくるはずです。