コンポージアムは、現代音楽の楽しさを優れた演奏で体験できる、東京オペラシティの同時代音楽フェスティバルです。日蘭交流400年にあたる2000年、コンポージアム2000では、オランダを代表する作曲家で、1999年12月にもピーター・グリーナウェイと組んだ新作オペラ《フェルメールへの手紙》を発表したばかりのルイ・アンドリーセンを「武満徹作曲賞」審査員に迎え、あわせて彼のヴィヴィッドな創造の世界をご紹介します。また、アルディッティ弦楽四重奏団による、全14曲、前人未踏の「20世紀マラソン」や、オルガンの女王ジェニファー・ベイトのコンサートなど、名人芸も満開。今年も注目です!
2000年度の「武満徹作曲賞」には、過去最高となる27カ国108作品の応募がありました。審査員であるオランダを代表する作曲家ルイ・アンドリーセン氏は、1999年12月の譜面審査によって5作品を選び、その中から2000年5月28日の本選演奏会下記の受賞者を決定しました。 第1位 長生 淳(日本):夏−朱い忘却(賞金150万) 第2位 ジョー・カトラー(イギリス):目覚め(賞金100万) 第3位 植田 彰(日本):パルセイティング(賞金50万)
【アンドリーセン総評】 若い作曲家たちにこうした機会を与えることは非常に重要な事です。このコンクールは、いわゆる通常のオーケストラ作品という制約がある中でのヴァラエティさ、可能性などを感じるものだと思います。今回、評価の基準として3つの点「作曲家として職人芸を披露できていたか」「どれだけ個性が溢れているか。作品のオリジナリティ」「作曲者がどれだけリスクを背負い、いかに冒険をしたか」を重視し、非常に難しかったのですが様々な観点から3つの作品を選びました。 【第1位、長生淳氏のプロフィール】 1964年3月1日生まれ。89年東京芸術大学大学院博士課程修了。84年第2回日仏現代音楽作曲コンクール特別賞受賞。85年第54回日本音楽コンクール作曲部門第2位入賞。87年現音第4回新人賞入選。88年第57回日本音楽コンクール作曲部門入選。 【受賞の言葉】 非常に良い演奏だったので、オーケストラも自分の音に共感してくれたと思う。演奏された音は聴衆の皆さんのところまで届いたと思うし、一つの目的は達成できたと感じている。聴衆の一人として自分の作品を聴くと、まだまだと思うところもあるので、これを励みにしたいと思います。
[オン・エアー情報] 7.23[日] 18:00〜18:50 NHK FM「現代の音楽」 7.30[日] 18:00〜18:50 NHK FM「現代の音楽」 →武満徹作曲賞のページ