コンポージアム2001 コンサートプログラム
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2001.5.20 [日] 14:00
リサイタルホール
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フィルム&トーク
トーク:オリヴァー・ナッセン
上映作品: |
ファンタジーオペラ『かいじゅうたちのいるところ』
作曲:オリヴァー・ナッセン
原作・テキスト:モーリス・センダック
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世界中で愛されているモーリス・センダックの絵本『かいじゅうたちのいるところ』は、ナッセンとセンダックによりオペラになりました。二人はこの作品を「ファンタジーオペラ」と呼んでいます。この催しでは、このナッセンの代表作のライブ録画映像(1984年グラインドボーン音楽祭)を上映します。また、それに先立ち、ナッセン自身が自らの創作活動について語る時間を設けます。多忙を極める作曲家ナッセンの音楽観や創作の秘密を間近で聞くチャンスです。
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2001.5.23[水] 19:00
コンサートホール
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オリヴァー・ナッセン オーケストラ・ファンタジー
指揮:オリヴァー・ナッセン
ソプラノ:ローズマリー・ハーディ
東京フィルハーモニー交響楽団
・武満徹/グリーン
・ナッセン/ |
歌と海の間奏曲 op.20a+ワイルド・ランパス op.20b
〜ファンタジーオペラ『かいじゅうたちのいるところ』より
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・ナッセン/ |
ヤンダー城への道 op.21a
〜ファンタジーオペラ『ヒグレッティ・ピグレッティ・ポップ!』によるオーケストラのためのポプリ
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・ブリテン/ |
4つの海の間奏曲 op.33a+パッサカリア op.33b
〜歌劇『ピーター・グライムズ』より
I 夜明け─II 日曜日の朝─パッサカリア─III 月光─IV 嵐 |
優れた指揮者としても知られるナッセンの指揮によるオーケストラコンサート。巧みなプログラミングにセンスが光ります。武満徹が子どもたちに捧げた珠玉作《グリーン》、センダックの著名な絵本『かいじゅうたちのいるところ』および『ヒグレッティ・ピグレッティ・ポップ!(日本語題:ふふふん へへへん ぽん!)』による自作オペラからの音楽、そして先輩ブリテンの傑作オペラ『ピーター・グライムズ』からの名曲。子ども、自然、海、光、闇…すべてが互いに共通するイメージを持つ音楽の連なり。この音楽会全体が、一つの幻想的な交響詩なのです。特に、『かいじゅう…』の主役マックスを歌い、ナッセンが絶大な信頼を寄せるソプラノのローズマリー・ハーディを得ての《歌と海の間奏曲》は、この曲の魅力を余すところなく伝えてくれることでしょう
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2001.5.25[金] 19:00
リサイタルホール
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オリヴァー・ナッセン 室内楽作品展
ソプラノ:ローズマリー・ハーディ
ピアノ:野平一郎
アンサンブル・ノマド
木ノ脇道元(フルート)
成田恵子(イングリッシュホルン)
菊地秀夫(クラリネット)
白谷隆(ホルン)
稲垣聡(ピアノ)
野口千代光(ヴァイオリン)
甲斐史子(ヴィオラ)
菊地知也(チェロ)
中川賢一(指揮/ピアノ)
・ナッセン/ |
マスク op.3
・・・ひとつの音に ─ パーセルによる
ソニアの子守歌 op.16
オフィーリアのダンス op.13
エレジアック・アラベスク op.26a ─ アンジェイ・パヌフニクの思い出に
ホイットマン・セッティング op.25
祈りの鐘 素描 op.29 ─ 武満徹の思い出に
声なき歌 op.26
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繊細な感性で、詩、物語、絵画をはじめ、身の回りのさまざまなものから豊かなイメージを紡ぎだすナッセンの音楽は、難解さに陥らないナチュラルな響きが魅力です。この演奏会では、そんなナッセン自身が選んだ8曲の室内楽作品を演奏します。ソロからアンサンブルまで、編成はさまざまです。ソプラノのローズマリー・ハーディはもちろん、ピアノ独奏は自身作曲家でもある野平一郎、そして日本の誇る精鋭ぞろいの現代音楽アンサンブル「アンサンブル・ノマド」と、出演者の顔ぶれも多士済々です。同時代音楽への深い共感をもつ演奏家たちによる色彩感あふれるナッセンの音楽世界にご期待ください。
[On Air 情報]
2001年9月2日[日]18:00─18:50 NHK-FM「現代の音楽」
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2001.5.26[土] 18:00
リサイタルホール
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ローズマリー・ハーディ ソプラノ・マスタークラス
指導:ローズマリー・ハーディ
通訳:田村緑
・ナッセン/ホイットマン・セッティング
受講生:斎藤佐和子(ソプラノ)
・シェーンベルク/シュテファン・ゲオルゲの「架空庭園の書」より 15の詩
受講生:紙谷弘子(ソプラノ)
・シェーンベルク/3つの歌曲 op.48
受講生:増田弥生(メゾソプラノ)
・ワークショップ
ベリオ/《セクエンツァ III 》
「コンポージアム」のために来日する、優れた演奏家による公開レッスンも、毎年恒例になりました。今年はローズマリー・ハーディによるソプラノのマスタークラスという珍しい企画です。バロックと現代作品という彼女の特徴的なレパートリーを活かし、パーセル、シェーンベルク、ナッセンの曲を使ってレッスンを行う予定です。
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2001.5.27[日] 17:00
コンサートホール
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2001年度武満徹作曲賞本選演奏会
審査員:オリヴァー・ナッセン
指揮:スザンナ・マルッキ
東京フィルハーモニー交響楽団
[演奏順]
・窪田隆二(日)/オーケストラのための石/星
・レネ・メンゼ(独)/形象─鏡像
・アーリン・エリザベス・シエラ(米)/オーケストラのためのアクィロ
・ルーク・ベットフォード(英)/オーケストラのための5つの小品
・木下正道(日)/サラ─ユーケル III
今年の作曲賞には世界26ヶ国から100作を上回る応募があり、規定に合致する87作品を受け付けました。そして、2000年11月に来日したナッセンによる譜面審査の結果、上記5作品が本選演奏会に推薦されました(受付順)。
発表記者会見の席上、ナッセンは、選ばれた作品について次のように述べました。
「私のような“怪物”ただ一人に審査をゆだねようとした若い作曲家たちの勇気に敬意を表します(笑)。全体のレヴェルは非常に高いものでしたが、特にファイナリストの5人は、豊かな想像力を持ち、それを使い切る技巧と腕前をもつ優れた作曲家だと思います。しかも演奏者を尊重する書き方をしているのが好ましいですね。興味深いのは、日本人2人の作品が、両方とも“空間”を構成要素に入れていることです。アメリカの方の作品は非常に活気がありエネルギッシュです。またイギリスとドイツの方の作品は、いずれも知的で、たいへん堅固な構成をもっている・・・というように、5作品それぞれ個性的です。これらの作品を生で聴くという体験には、大変な芸術的価値があるでしょう。私自身、とても楽しみにしています。」
本選演奏会でこれら5つの作品を指揮するのは、フィンランド出身の新鋭、スザンナ・マルッキです。ナッセン、アデスら第一線の作曲家たちからの信頼も厚い彼女ならではの、生き生きとした演奏が期待できます。
→作曲賞の結果はこちら
[On Air 情報]
2001年8月5日[日]/8月12日[日]18:00─18:50
NHK-FM「現代の音楽」
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