COMPOSIUM 2002
Concert Program
コンサートプログラム
2002.5.20 [月] 19:00
リサイタルホール
フィルム&トーク
上映ドキュメンタリー:
『現代音楽の旗手・湯浅譲二』
(1986/テレビユー福島制作/15')
『ステージドア』
(1997/NHK制作/30')
トーク:
湯浅譲二
×
池辺晋一郎
入場無料(要整理券)
『現代音楽の旗手・湯浅譲二』は、1986年に郡山市で開催された「国際コンピュータ・ミュージック・フェスティバル」のミニ・ドキュメンタリー。参加者の一人、クセナキスのコメントも収録されています。
『ステージドア』は、《ヴァイオリン協奏曲−イン・メモリー・オヴ武満徹》(1996)の発表直後に収録されたもので、詩人・谷川俊太郎氏との対談を中心とし、自然に囲まれた仕事場の様子もうかがえます。
2002.5.22[水]18:45
リサイタルホール
湯浅譲二 ミュージック・ウィズ・テクノロジー
サクソフォン:
平野公崇
*
ハープ:
篠崎史子
**
ピアノ:
木村かをり
***
音響:川上 央(日本大学芸術学部情報音楽研究室)
・マイ・ブルースカイ第1番 (Tape 1975)
・私ではなく風が…* (Amplified alto saxophone 1976)
・ホワイト・ノイズによるイコン (Quadraphonic tape 1967)
・葵の上 (Musique concrete 1961)
・ハープのある時空** (Harp and tape 1999)
・「夜半日頭」に向かいて−世阿彌頌−*** (Tape and amplified piano 1984)
全席自由:\3,000
湯浅譲二の創作の大きな柱の一つである、テープ/コンピュータ音楽作品のみによる初の個展です。日本におけるテープ音楽草創期の大作から、近年の作品までをまとめて紹介する、いわば「湯浅クロニクル・ウィズ・テクノロジー」ともいえるプログラムです。
2002.5.23[木] 19:00
コンサートホール
湯浅譲二 オーケストラの情景
[On Air 情報]
番組名:現代の音楽(NHK-FM)
放送予定日:
part 1 6月23日(日)18:00〜18:50
part 2 6月30日(日)18:00〜18:50
※2週に分けて放送されます。
[出演]
指揮:
飯森範親
ソプラノ:
工藤容子
***
アルト:
浅田康予
***
テノール:
高橋 淳
***
バリトン:
宮本益光
**/***
東京交響楽団
東京混声合唱団
**/***
東京音楽大学ブラスアンサンブル
*
[曲目]
・
冬の光のファンファーレ
〜長野オリンピックのための (1998)*
1998年冬季オリンピック長野大会開会式のために作曲されたファンファーレ。約40秒。
・
クロノプラスティク III
−スタシスとキネシスの間で−ヤニス・クセナキスの追憶に (2001)
NHK交響楽団委嘱作品。作曲者の代表的シリーズの最新作。2001年5月タン・ドゥン指揮N響により初演。約10分。
・
コズミック・ソリテュード
〜ヘルダーリン『人生の半ば』によるバリトン、合唱と管弦楽のための (1997)**
日本初演
ヘルダーリンの『人生の半ば』をテキストにし、バリトン独唱、合唱と管弦楽のために作曲。シュトゥットガルト・バッハ・アカデミー委嘱作品。約10分。
・
レスポンソリウム
〜「和解のレクイエム」より (1995)***
14人の世界的作曲家による大作《和解のレクイエム》の白眉として絶賛された名曲。シュトゥットガルト・バッハ・アカデミー委嘱作品。約12分半。
・
シベリウス讃−ミッドナイト・サン−
(1991) 日本初演
シベリウス生誕125周年を記念した、ヘルシンキ・フィル委嘱作品。約7分。
・
オーケストラのためのレクイエム
(1980) 初演
昭和天皇崩御報道のためにフジテレビが委嘱、尾高忠明指揮札幌交響楽団の演奏で収録されたが、実際には放送されず、これまで演奏会でもとりあげられていない「幻の作品」。約24分。
[アンコール]
・湯浅譲二/バッハによる哀歌〜病める魂のために〜
(J.S.バッハ《前奏曲とフーガXXII》からの編曲)
全席指定:一般:\3,000 学生:\1,000
「音楽は作曲家のコスモロジーの反映である」と語る湯浅譲二の最重要ジャンル、オーケストラ作品。今回は、2曲の日本初演と「幻の曲」を含む、かつてない規模の個展です。巨大な音響エネルギーの変遷のもたらす美しい響きが、人間共有の内なる風景を呼び醒ますことでしょう。
なお、ホールホワイエにて、湯浅氏自筆のオーケストラ作品のグラフスコアや楽譜などを展示予定です。
2002.5.25[土] 15:00
リサイタルホール
平野公崇 即興演奏ワークショップ
講師:
平野公崇
(サクソフォン)
受講生:未定
→詳細はこちら
入場無料(要整理券)
サクソフォニスト平野公崇が、即興演奏についてのワークショップを行います。パリ・コンセルヴァトワールの即興演奏科出身の経験をいかして、演奏家が肉体的にも精神的にも解放された状態を体験することを目指し、「即興演奏するとはどういうことか」を聴講者にも理解していただくことを目的としています。とはいえ、どんな展開になるのか、誰もわかりません。
2002.5.26[日] 17:00
コンサートホール
2002年度武満徹作曲賞本選演奏会
[
審査結果はこちら
]
[On Air 情報]
5/26「2002年度武満徹作曲賞本選演奏会」
番組名:現代の音楽(NHK-FM)
放送予定日:
part 1
7月7日(日)18:00〜18:50
・M.J.ウィリー:「ハ長調によるツォルキン」
・T.
パウス:「オーケストラのためのシーン」
part 2
7月14日(日)18:00〜18:50
・P.ココラス「フィードバック」
・山本裕之「カンティクム・トレムルム II」
・T.I.タジュディン「テヌナン II」
※両公演とも2週に分けて放送されます。
[出演]
審査員:
湯浅譲二
指揮:
高関 健
東京フィルハーモニー交響楽団
[ファイナリスト]
・
マイケル・ジョン・ウィリー
(USA/メキシコ)
/ハ長調によるツォルキン
・
テオドール・パウス
(ドイツ)
/オーケストラのためのシーン
・
パナヨティス・ココラス
(ギリシャ)
/フィードバック
・
山本裕之
(日本)
/カンティクム・トレムルム II
・
タズル・イザン・タジュディン
(マレーシア)
/テヌナン II
(演奏順)
全席自由:\1,000
世界中の若い作曲家たちを対象としたオーケストラ作品のコンクール「武満徹作曲賞」は、毎年一人の作曲家が審査を行うというユニークな方法で国際的にも認知度を高めています。今回で6回目となる2002年度は、世界中から、140作品(過去最多数)の応募があり、規定に照会の上、審査対象作品として31カ国、122作品(同)を受け付けました。
湯浅氏は、今回の審査基準について次のように語っています。
「この賞は審査員1人が審査にあたるので、それぞれの年に、その時の審査員の審美眼が反映されると思います。私の基準は、30年ほど前、初めて国際現代音楽祭の審査員をした時に、審査委員長だったリゲティが言われたことが元になっているように思います。それは『亜流を排する』ということ。つまりブーレーズとかクセナキスとか、既存の作曲家を真似している譜面は、たとえうまく書けていようと選考からはずそうということだったのです。それが深く心に刻み込まれていまして、今回の審査でも『オリジナリティ』を最も重要なポイントにしました。『音楽で何を表現したいのか』を第一に見て、技術やオーケストレーションが巧みにできているものよりも、新鮮な響き、これまでにないアイデアを持つものを選ぼうとしたつもりです。結果をみると、地理的分布から言ってもおもしろい展開になったように思います。」
また、各ファイナリスト作品について、次のように印象を述べています。
「ファイナリストにはマレーシアの人が含まれていますが、これだけレヴェルが高い作曲家がこの国から出てきたことは、嬉しい驚きです。これまでもアジアの作曲コンクールで審査をすることがありましたが、これだけの水準の曲を見たことがありませんでした。USA/メキシコの人の作品も、倍音システムがよく考えられた非常に美しい音楽です。譜面がほとんど全音符というのもユニークなところでしょう。ドイツの人の曲はそれと逆に、すべて短い音から成り、それがグループ化されて、リズムのホケットのような、つまり型があってそれを埋めていくような構造を作っているところがおもしろいと思いました。ギリシャの人も、時間の問題やオーケストレーションで他にないアイデアが盛り込まれていますし、日本の山本さんの曲もこれまで聴いた彼の他の曲同様ユニークで、ぜひ聴いてみたいと思いました。やはり最終的な選択は『この譜面が音になったらどうか』という興味が反映されていると思います。」
(2001.11.29 譜面審査結果記者発表での湯浅氏のコメントより)
世界各地の新しい才能と出会える「武満徹作曲賞」本選演奏会に、今年もご期待ください。
→「武満徹作曲賞」のページはこちら
→これまでの「武満徹作曲賞」審査結果(受賞者の近況など)はこちら
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