画と機 山本耀司・朝倉優佳

イントロダクションIntroduction

時代に流されない反骨精神で世界を刺激しつづけるデザイナー、山本耀司。「画と機」と題された本展は、40年以上のキャリアを経て今なお斬新なクリエーションを展開する山本耀司の魅力と本質に迫ろうとする企画です。

山本は最近のコレクションで、絵画とのコラボレーションを積極的に展開しています。「画と機」というタイトルは山本の希望により、編集工学者である松岡正剛が考えたもので、「画」は絵画を、「機」は「はずみ」や「機会」「機織( 服)」を意味します。この二文字は関係性を表し、絵画とファッション、二次元と三次元、男と女など、反発しながらも惹かれ合い、互いに逃れられないような、創造の根源に触れる危険な関係を暴き出します。また、つなげて「ガキ」という音のとおり、世間が子どもへ向ける目への反抗や抵抗としての表現とも捉えられます。

本展は、未発表の絵画やインスタレーションなどのほか、ここ数シーズンにわたりヨウジヤマモトの服づくりに熱を与えた若手画家 朝倉優佳の作品も交え、空間に対峙した新たな創造を生み出します。「画と機」の、 衝突 融合 失望 対立 共存 刹那 交替 憧憬 永遠 ─ の現場をご覧いただけることでしょう。

プロフィール

山本耀司
慶応義塾大学法学部、文化服装学院卒業。1981年のパリコレクションで世界のファッション界に衝撃を与え、以後もさまざまな革新的スタイルを創造しつづける。『Talking to Myself』『YAMAMOTO&YOHJI』など著書、作品集多数。
朝倉優佳
女子美術大学大学院博士後期課程絵画領域在籍。同大学大学院在学中の2012-13年にドイツ・ニュルンベルクに一時滞在、制作を行う。大型の壁画制作や、ライブ・ペインティングなど積極的に絵画活動を展開する。