9. 切実 新作
荒木はごく初期より、自作にハサミをいれたりコラージュしたりする試みを行っています。〈切実〉はそうした先鋭的な作品の最新バージョンで、プリントした無数の写真をハサミで切断し、組み合わせを変えてコラージュしています。荒木にとってハサミで切ることも、コラージュすることも、カメラのシャッターを押すことと同じ感覚だといいます。またタイトルは、「写真は真実」という観念を逆手にとって、写真=真実を切るから切実である、という意味と、同時に写真は「切ない真実」でもあるという、さまざまな意味を含んでいます。
《切実》2017
《切実》2017