イントロダクション
Introduction
イサム・ノグチ(1904-88)は、詩人・野口米次郎とアメリカ人の母親のもとに生まれ、世界文化を横断しながら生き、彫刻をはじめ舞台美術や家具、照明器具「あかり」のデザイン、陶芸、庭、ランドスケープ・デザインまで、幅広い巨人的な制作を行いました。本展は、ノグチが抽象彫刻の分野にあっても常に「身体」を意識し続けたことや、そうした意識が、子供のための遊具デザインやランドスケープといった人間をとりまく環境へ向かい、ノグチ自身がいう「空間の彫刻」=庭園への情熱に拡大していったことに着目します。若き日に北京で描いた毛筆による身体ドローイング、モダンダンスの開拓者マーサ・グラハムのための舞台装置、日本で制作された陶作品や光の彫刻「あかり」のデザイン、さらに《チェイス・マンハッタン銀行プラザのための沈床園》(1961-64)など庭園、ランドスケープの模型・資料・動画、そして晩年の峻厳な石の彫刻まで、多様な作品を通して、「異文化の融合」や「生活と環境の一体化」をめざしたその活動の全容に迫ります。
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イサム・ノグチ《スライド・マントラの模型》
1966-88年
石膏
イサム・ノグチ庭園美術館(ニューヨーク)蔵
(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与)
©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] – JASPAR. -
イサム・ノグチ《無題》
1987
インド産花崗岩
イサム・ノグチ庭園美術館(ニューヨーク)
(公益財団法人イサム・ノグチ日本財団に永久貸与)
©The Isamu Noguchi Foundation and Garden Museum, New York / Artist Rights Society [ARS] - JASPAR.
Photo by Akira Takahashi.