自身が結成メンバーである「路上観察学会」の活動も、赤瀬川原平、南伸坊、松田哲夫、林丈二を迎えて包括的に紹介されます。活動初期の写真や刊行物などの資料が一堂に集められ、メンバー自身の手で展示されることにも期待が高まります。都市の中に現れる無用の美を「物件」として採集するその姿勢は、意識的になされるあらゆる芸術活動とベクトルを逆にするものです。「未来ではなく過去に向かっての前衛」である藤森建築と、路上観察の軌跡を辿ることは、私たちの生きる都市を改めて考察するきっかけとなることでしょう。
路上観察《緑のドレス、東京》
路上観察《世界一楽しいスベリ台、東京》