幕末・明治に日本人が初めて西洋音楽に触れてから今日まで150年。現代の思想や文化にもつながる大転換期を日本人は経験しました。この展覧会は、文化史を軸に、日本人がどのように西洋音楽を受け入れ、どのように音楽と向き合い、自分たちの音楽をつくり上げてきたかをたどるものです。それは、日本人にとっての音楽とは何かを問いかける試みとなるでしょう。
明治学院大学図書館付属日本近代音楽館には約50万点の資料が保管・公開されています。本展では、同館所蔵の資料を厳選し、さらに、日本各地の博物館、資料館、図書館などの機関や、個人所蔵の資料を加えた約300点によって、日本近代音楽の歩みをたどる初の試みです。
展示は、楽譜、楽器、書簡、公演プログラム、レコード、絵画などの多様な資料によって構成されます。さらに、時代の息吹を実感できるように、時代背景をわかりやすく映像で伝えるコーナーを4つのセクションに設けています。時代の変化を詳細に映し出す構成は、150年という歴史をまさに駆け抜けるかのように感じられることでしょう。また、実際の音楽を聴くことで、視覚だけでなく、聴覚を通じて体感することができます。激動の時代を生きた先人たちが五線譜に描いた夢は、現代の私たちの心にどのように受け継がれているのでしょうか。
※一部の展示資料は、保護の為、会期中に展示替えを行います。